自分のお店を建てたい!店舗付き住宅の費用やメリット・デメリットとは!?
自分のお店を店舗付き住宅で実現させたい!
店舗付き住宅はいろいろと便利そうですが、費用面や生活面でどのようなメリットがあるのでしょうか?逆に困ること、損することはないのでしょうか?失敗しないためにはどのようなことに気を付けて計画を進めて行けばよいのでしょうか。
店舗付き住宅でも初めから賃貸用として建築する場合もありますが、この記事では自分の住居とお店として建築を考えている人が参考にできるように、次の内容について解説していきます。
- 店舗付き住宅のメリット・デメリット
- 中古や賃貸との比較
- 建築前から建築後までの流れとポイント
- 店舗付き住宅に必要な費用とは
- 店舗付き住宅で使えるローンとは
この記事では新築で店舗付き住宅を建て、自分のお店を出したいという人向けの情報をまとめています。「自分のお店を持ちたい!」「店舗付き住宅なら実現できるかも!?」と考えている人は参考にしてください。
1-1. 店舗兼用住宅と店舗併用住宅とは
1-2. 建築可能な地域の違い
1-3. 店舗兼用住宅と店舗併用住宅の特徴
2)店舗と住宅を一緒にするメリット・デメリット
2-1. 店舗付き住宅5つのメリット
2-2. 店舗付き住宅4つデメリット
3)新築と中古、賃貸の比較
3-1.店舗付き住宅新築のポイント
3-2.中古物件のポイント
3-3.賃貸物件のポイント
4)店舗付き住宅を建てるまでの流れ
4-1.計画
4-2.設計
4-3.建築工事
4-4.引き渡し・引っ越し・開店
5)店舗付き住宅に必要な費用とは
5-1.建築費用
5-2.税金・諸手続き費用
5-3.その他の費用
6)店舗付き住宅とローンのはなし
6-1.住宅と店舗は別のローンを組む
6-2.ローンの条件①床面積
6-3.ローンの条件②自分が住む住宅であること
7)失敗しないポイント
7-1.店舗は1階が基本
7-2.店舗と住宅の玄関を分ける
7-3.駐車場の確保
7-4.ご近所にどんな人が住んでいるのかを確認する
8)まとめ
1)店舗付き住宅の種類
店舗付き住宅には次の2種類があります。
・店舗「兼用」住宅
・店舗「併用」住宅
「兼用」と「併用」という似た表現ですが、それぞれ建築できる地域や建物の特徴に違いがあります。自分が建てたい店舗付き住宅がどちらなのか、種類の違いを確認しておきましょう。
/// 1-1.店舗兼用住宅と店舗併用住宅とは
店舗兼用住宅と店舗併用住宅の違いは、お店と住宅が中でつながっているか、外でつながっているかです。お店と住宅が中でつながっている場合、1つの建物でお店と住宅を「兼用」としている、ということになります。逆に建物の中でもお店と住宅が完全に分けていると、「併用」という解釈になります。
例えば、お店と住宅が中でつながっていて玄関も別々。つまり中と外両方行き来できる場合でも、お店と住宅が「兼用」されているので店舗兼用住宅となります。
1つの建物の中で、お店と住宅がつながっているか、完全に分離しているかというポイントを理解しておきましょう。
/// 1-2.建築可能な地域の違い
店舗兼用住宅と店舗併用住宅を選ぶ際には、建築可能な地域に違いがあるということに注意が必要です。建築可能な土地は国土交通省の定める13種類の用途地域に分類されています。用途地域は都市計画等に基づいて決められ、建てられる建築物の種類が決められています。
13種類の用途地域 | 兼用 | 併用 | |
---|---|---|---|
①第一種低層住居専用地域 | 低層住宅のための地域です。小規模なお店や事務所を兼ねた住宅、小中学校などが建てられます。 | △ | × |
②第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅のための地域です。小中学校などのほか、150㎡までの一定のお店などが建てられます。 | 〇 | 〇 |
③第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅のための地域です。病院、大学、500㎡までの一定のお店などが建てられます。 | 〇 | 〇 |
④第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層住宅のための地域です。病院、大学などの他、1,500㎡までの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑤第一種住居地域 | 住居の環境を守るための地域です。3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑥第二種住居地域 | 主に住居の環境を守るための地域です。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑦準住居地域 | 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。 | 〇 | 〇 |
⑧田園住戸地域 | 農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。住宅に加え、農産物の直売所などが建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑨近隣商業地域 | まわりの住民が日用品の買い物などをするための地域です。住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑩商業地域 | 銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。住宅や小規模の工場も建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑪準工業地域 | 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。 | 〇 | 〇 |
⑫工業地域 | どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 | 〇 | 〇 |
⑬工業専用地域 | 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 | × | × |
工業専用地域には店舗兼用住宅と店舗併用住宅の両方とも建てられません。それ以外のほとんどで建築可能ですが「第一種低層住居専用地域」に注意しましょう。店舗兼用住宅の場合、店舗面積や住居と店舗の比率など一部条件をクリアすれば建築することができます。店舗併用住宅は建築することができません。
同じ店舗付き住宅でも構造によって建てられる地域や条件に違いがあることを覚えておきましょう。
/// 1-3.店舗兼用住宅と店舗併用住宅の特徴
①店舗兼用住宅の特徴
店舗兼用住宅は店舗と住宅がつながっています。店舗と住宅が行き来しやすいので家庭と仕事を両立しやすい特徴があります。住宅専用の玄関を設けることも可能なので店舗と住居を分離することも可能です。
②店舗併用住宅の特徴
店舗併用住宅は店舗と住宅が別々になっています。店舗と住宅を物理的に分離することで、仕事に集中しやすい環境、プライベートと仕事を分けやすい特徴があります。店舗と住居が分離されているので、ローンの返済を終えれば将来的にはお店と住居を別々に賃貸することも可能です。
2)店舗と住宅を一緒にするメリット・デメリット
店舗付き住宅では職場である店舗とプライベートである住宅が1つの建物になります。生活してから「こんなはずじゃなかったのに」とならないように、店舗付き住宅のメリットとデメリットについて理解しておきましょう。
/// 2-1.店舗付き住宅5つのメリット
①通勤時間ゼロ
住居と職場が同じ建物なので通勤時間がありません。全国の平均通勤時間は1時間以上です。往復で2時間以上も時間を節約することができます。仕込みなどで朝早い業種や飲食店など夜遅くまで営業する業種は特に時間を有効活用することができます。
②店舗家賃がない
自分で建てた場合、家賃を払う必要がありません。家賃は建物を使っている間は払い続けなければなりません。ローンの場合も毎月支払いますが、払い終えれば建物は自分の持ち物になります。賃貸の場合はどれだけ払い続けても「家賃」という支出は続きます。
③費用の一部を経費に計上できる
店舗と住宅が一緒なので共有する部分に関しては経費として計上することができます。例えば庭の手入れなど業務に関する費用や住宅ローンの利息になど、店舗付き住宅にすることで経費として扱えるお金があります。
④家族との時間が増やせる
店舗と住宅が同じ建物なので、家族との時間を増やすことができます。休憩時間や暇な時間に家に戻り、家事や子供の世話をすることができます。通勤時間もないので家庭の融通も利きやすくなります。
⑤店舗と自宅を別に買うより安い
同じ敷地内に店舗と住宅を建てているので総合的に費用は安く済みます。土地や生活インフラなど共有部分も多く、別々に建てるより建築費用が抑えられています。
/// 2-2.店舗付き住宅4つデメリット
①売却しにくい
店舗付き住宅は通常の住宅と比べて売却しにくい傾向があります。店舗だけを探している人、住宅だけを探している人に比べ、店舗付き住宅を探している人が少なく、立地や店舗の形状、設備、老朽化など売却するには買い手が見つかりにくくなります。
店舗付き住宅を建てる際は上手くいかなければ売ればいいなど安易に考えず。継続できる立地選びや事業計画を立てることが大切です。
②仕事とプライベートが切り離しにくい
店舗と住宅が近いというのは便利な反面、仕事とプライベートの区切りが分かりにくいというデメリットがあります。いつでも仕事ができて、いつでも家に帰れるという環境は自分でメリハリを作る必要があります。
③音や臭いなどの影響が出やすい
お店と住宅が1つの建物でつながっているため、音や臭いの影響は出やすくなります。例えば飲食店や工房などを営む場合、油や材料の臭い、作業や来客の音などの影響が出るでしょう。逆に家族の生活音や食事の臭いなどがお店に影響する場合もあります。
店舗付き住宅を建てる際は防音設備や空気の流れに配慮した設計を行いましょう。
④事業を途中でやめにくい
店舗と住宅が別々の場合、テナントを解約したり店舗を売却したりすることができますが、店舗付き住宅では事業が上手くいかずに閉店した場合、住宅と切り離すことができません。賃貸にして人に貸せば良いのではと考える人も多いのですが、ローンの返済が終わるまでは勝手に賃貸することはできません。
店舗付き住宅でお店を開く場合は生活と切り離すことが難しいので、継続するための計画性が大切です。
3)新築と中古、賃貸の比較
/// 3-1.店舗付き住宅新築のポイント
①初期費用は高い
新築ですので中古や賃貸と比較して同じ条件であれば最も費用が高くなります。店舗付き住宅を新築で建てる場合、経営する業種やコンセプトによって違いはありますが、建築費用の相場は3000万円くらいが目安です。凝ったデザインや高価な素材、お店の広さ、地域の物価によってもっとかかる場合もあります。
②自分好みの間取りにできる
新築で建てる最も大きなポイントは、間取りを自分で作ることができるということです。店内の間取りや住宅との位置関係、建物の構造は内装デザインのベースにもなります。業種や生活に合わせた間取りにすることで自分好みのお店と住宅を作ることができます。
/// 3-2.中古物件のポイント
①新築より安く手に入る
中古物件の良いところは新築より安く手に入れることができることです。立地や間取り、内装など新築より自由度は少なくなります。集客の見込める立地で良い物件を見つけることができれば開業までの費用負担を軽くすることができます。
②居抜きは機材も残っていることがある
居抜き物件の場合、機材や家具など使えるものがそのまま残されていることがあります。内装もお店のコンセプトと相違なければそのまま使える場合もあります。必要な設備がそのまま使えればさらに開業の費用を減らせてお得です。
③劣化状態を考慮する
中古ですので建物の劣化状態をしっかり確認しましょう。せっかく購入しても修繕費ばかりかかっては新築を建てたほうが良かったということになりかねません。建物の外壁、内装、床下など構造的なものから配電、配管等もよく確認して修繕費を考慮する必要があります。
④前のお店の風評が影響することがある
前のお店の風評を引き継ぐことがあるので注意が必要です。前のお店が悪質な営業をしていたり、怪しげで近寄りがたいイメージを持たれていたりした場合、開業した後も同じ目で見られて人が寄り付きにくいことがあります。前のお店の評判は見た目では分かりにくいのでよく調べておく必要があります。
/// 3-3.賃貸物件のポイント
①失敗したときのリスクが少ない
賃貸は費用的なリスクがもっとも少ない方法です。賃貸は建物を借りているだけなので、お店の経営が上手くいかず廃業することになっても賃貸契約を終了すれば済みます。店舗を返却する費用を考えても建物丸ごと購入するより小さな資金でお店を作ることができます。
②家賃を払い続ける
賃貸なので家賃を払い続けなければなりません。毎月支払いをしても建物が自分の物になることはありません。また家賃が上がるリスクもあります。新築や中古物件でも、購入したのであれば毎月のローンを支払い終える日が必ず来ます。家賃は何十年払い続けても無くなることはありません。
③オーナーの都合に影響される
賃貸物件は貸し手であるオーナーの都合によって影響を受けます。家賃の値上がりもその1つですが、最悪の場合店舗を違うことに使いたいので賃貸契約を終了されてしまうこともあります。
④原状回復の契約がある
店舗の賃貸契約を終了した場合、多くの場合お店を借りる前の状態に戻す「原状回復」を行います。どの程度もとに戻すのかは賃貸する際の契約によります。事業を撤退するのにまとまったお金が必要になるので契約時に必ずよく確認しておきましょう。
4)店舗付き住宅を建てるまでの流れ
店舗付き住宅を建てるまでの大きな流れは以下の順番です。
計画
↓
設計
↓
建築工事
↓
引き渡し
それぞれの詳細について解説していきます。
/// 4-1.計画
1)事業計画の作成
どのようなお店にするのか、どのようなコンセプトを売りにしていくかなど事業の計画を立てます。
2)現地調査
事業に適した立地を探し、集客ができるのか、生活インフラは整っているかなど現地の調査を行います。
3)許可申請・必要資格の調査
調査した立地に開業したい店舗の営業が可能か、店舗付き住宅が建築可能かを調べ、許可申請を行います。同時に開業に必要な資格を持っているか、開業前に取得可能かを確認します。
4)資金調達・事業計画書作成
建築資金をどこから調達するのか、融資を受ける場合は事業計画書を作成し金融機関でプレゼンを行います。
/// 4-2.設計
1)土地の購入
調査した土地の売買契約を行い、敷地を確保します。
2)設計事務所を選ぶ
信頼できる設計事務所を選びます。店舗付き住宅の実績が豊富で実際に設計した建物を見学したり、コンセプトや金額の価値観を確認したりして設計事務所を選びます。
3)建築内容の打ち合わせ
店舗と住宅の間取りや作業動線、機材、内装、使用する素材など建築内容を話し合い、理想の店舗付き住宅の設計を具体的にしていきます。
4)建築業者の決定
費用や設計内容等に合意できれば契約を結び、建築の依頼を行います。
/// 4-3.建築工事
1)地盤調査・地盤補強工事
建物を建てる土地の地盤調査を行います。地盤が建物を建てるのに適していない場合は補強工事等を行います。
2)基礎工事
建物の基礎を作ります。
3)本体の建築工事
柱を立て、壁や床、天井など建物本体の建築を行います。
4)内装・外装工事
建物の内装と外壁や外構を作っていきます。
5)店舗の設備や家具の搬入
店舗で使用する機器や使用するテーブル、椅子などの家具を搬入し店舗を作り上げていきます。
/// 4-4.引き渡し・引っ越し・開店
1)竣工・引き渡し
工事が完了し、依頼主が建物の状態を確認後、問題なければ引き渡しとなります。
2)引っ越し
住宅や事業で使用する物品などを運び入れて引っ越しを行います。
3)店舗オープン
事業計画に則り店舗をオープンとなります。
5)店舗付き住宅に必要な費用とは
/// 5-1.建築費用
建築に必要な費用
・土地代
・建築費
・設計・デザイン料
・店舗の内装・外装・看板・外構の費用
建物を建てる敷地を購入する土地代や建築費の他に、建物の設計を行う設計費やデザインの料金が掛かります。ここまでは通常の住宅を建てる費用と変わりませんが、店舗付き住宅では店舗の内装、お店の外観を決める外装や看板の費用が発生します。お店のコンセプトや使用する素材の価格によって費用の大きさは変わります。その他にもお店の周りに花壇を作ったりおしゃれな壁を建てたりなど外構に関する費用も必要になります。
/// 5-2.税金・諸手続き費用
不動産取得や建築の際に様々な税金や手続き費用が掛かります。以下に簡潔にまとめたので、どのような費用が発生するのか参考にしてください。
・印紙税
住宅ローンや売買契約などの書類に使用
・不動産取得税
不動産を取得した際に支払う税金。固定資産税の3~4%
・登録免許税
不動産を購入した際の登録費用。不動産の課税標準金額×0.4~2%
・司法書士代行報酬
不動産登記手続きなどを司法書士に代行してもらう場合の手数料
・火災(地震)保険加入料
建物の火災保険と地震保険の加入料
・ローン事務手数料
ローンを組む際に銀行に払う手数料
・仲介手数料
不動産業者などが間に入って土地の売買をする際に支払う仲介の手数料
/// 5-3.その他の費用
その他の費用として、建築や税金・諸手続き費用以外に発生する可能性がある費用をまとめました。必ず必要なものではありませんが、想定していないと困る場合もありますので確認しておきましょう。
・整地・解体費用
購入した土地が荒れている場合や樹木、岩などがある場合、建物が建てられる状態にするために整地する必要があります。また古い建物を取り壊すのであれば解体費用も必要になります。
・仮住まい費用
今住んでいる土地に新しく店舗付き住宅を建てる場合や、引っ越しまでに住む家が無い場合は仮住まいを確保しなければなりません。短期間でも賃貸等で住む場所を確保する費用が必要になることがあります。
・引っ越し費用
自分で行うことも可能ですが、引っ越し業者に依頼する場合は引っ越し費用が掛かります。
・地鎮祭等式典費用
建築前に地鎮祭を行う場合は神主さんへの謝礼や祭壇、お供え物などを用意するための費用が掛かります。
6)店舗付き住宅とローンのはなし
/// 6-1.住宅と店舗は別のローンを組む
店舗付き住宅では店舗と住宅のローンが別になるのが一般的です。住宅部分にかかる費用は住宅ローン、店舗部分の費用は事業用ローンが適用されます。
住宅ローンと事業用ローンでは利息や住宅ローン控除の取り扱いが変わってきます。銀行によっては住宅ローン一括で融資を受けられる場合もあるのですが、床面積の比率などの制限をクリアするなどの条件があります。
/// 6-2.ローンの条件①床面積
店舗付き住宅では店舗部分と住宅部分の床面積の比率が重要です。店舗付き住宅の住宅部分に住宅ローンを適用するためには、建物全体の床面積の中で、居住部分の床面積が1/2以上であることが基本的な条件となっています。
床面積の割合によっては店舗付き住宅とならない場合もあります。店舗部分の床面積が3/4以上であるときは税制上店舗として扱われるため住宅関連の優遇を受けることができません。店舗付き住宅では店舗より住宅の方が広い面積であることが重要になります。
/// 6-3.ローンの条件②自分が住む住宅であること
店舗付き住宅では住宅が債務者自身の主たる住居として使用することがローンや住宅税控除に関係してきます。住宅税控除を受けるためには「自己の居住の用に供していること」とされています。賃貸のためや従業員に染み込みさせるための住居としての使用は認められていません。またローンを組む際の契約により、自分の住宅や店舗としてローンを組んだ物件を勝手に賃貸することはできません。ローンで購入した住宅は誰が住み、誰が使うのかということも重要であることを理解しておきましょう。
7)失敗しないポイント
/// 7-1.店舗は1階が基本
2階建て以上の店舗付き住宅を建てる際、店舗は1階に作るのが基本です。店舗が1階にあると次のようなメリットがあります。
・お客様からお店が見えやすい
・お客様が入りやすい
・機材や家具、日常の仕入れの搬出入がしやすい
・住宅の生活感が見えにくい
2階以上に店舗を配置すると上記のメリットが逆にデメリットとなります。1階に店舗を配置しない場合はこのメリットを超える必要性があるのかどうかをよく検討しましょう。
/// 7-2.店舗と住宅の玄関を分ける
店舗併用住宅では玄関は別の構造になりますが、店舗兼用住宅でも玄関を別々に作っておくのが基本です。仕事中に家族が出入り、来客などがあると仕事に影響が出ます。せっかく来店してくれたお客様に集中できずに商談の機会を逃してしまう可能性もあります。
店舗から住宅へ出入りすることは便利な面もありますが、玄関は別に作っておくのが基本です。
/// 7-3.駐車場の確保
駐車場を考えずに土地を購入すると後で困ることがあります。駐車場は自分の車以外にも、お客様、従業員、機材や仕入れの搬入などにも使われます。路上駐車は近隣にも迷惑が掛かり、ひどい場合はお店の存続にも関わります。駐車場は出入りのしやすさも重要で、お客様の主な交通手段が車の場合、出入りしにくい駐車場では集客に影響してしまいます。
店舗付き住宅で土地を選ぶ際に、適切な駐車場が確保できるかどうかも考えておきましょう。
/// 7-4.ご近所にどんな人が住んでいるのかを確認する
店舗付き住宅で事業を行う際はご近所に住んでいる人を確認することが重要です。住宅街での店舗は近隣の住宅とトラブルになりやすい傾向があります。お店から発する臭いや騒音、来店したお客様のマナーなどにより少なからずトラブルが発生します。ご近所に癖の強い人が住んでいる場合、その対策にかなりの労力とストレスを抱えるケースもあります。
店舗付き住宅で良い立地を見つけたら、ご近所へのあいさつがてらお話をするなどしてどのような人が住んでいるのかを調べましょう。権利を主張してきたり嫌味を言われたりするようであれば要注意です。
隣接する住民の人柄や地域の雰囲気は事業としてお店を運営していくのに関わります。必ず確認するようにしましょう。
8)まとめ
店舗付き住宅は独立してこれから自分のお店を持ちたい人や、子供や親の世話など家庭と仕事を両立したい人にはメリットの多い選択肢です。店舗付き住宅を建てる際は建てられる立地や地域の特徴等の下調べを行って、事業を継続的に運営できるかどうという視点で考えます。店舗と家を1つの建物にするメリットとデメリットを比較してよく検討しましょう。
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