【賃貸経営】おしゃれなデザイナーズアパートを建てる際に注意すべきポイント解説

デザイナーズアパートを建てる際に注意すべきポイントとは?

賃貸経営の1つとして人気なのがデザイナーズアパートです。マンションほど敷地や資金の規模が無くても、おしゃれで個性的な特徴があり高い家賃設定や入居者の確保が期待されています。そんなデザイナーズアパートを経営する際には、デザインや集客のコンセプトをしっかりと作り上げておくことが大切です。

この記事では、これからデザイナーズアパート経営を考えている方がどのようなことに気を付けていけばよいかということについてまとめています。デザイナーズアパートの定義やメリット・デメリット、デザインや建築の種類など幅広く解説しています。デザイナーズアパートについての基礎的な知識をまとめて知りたいという人は参考にしてください。

1)デザイナーズアパートとは?

/// 1-1.「デザイナーズアパート」の定義

デザイナーズアパートという言葉に法的根拠や定義はありません。ある程度の条件に当てはまるアパートを「デザイナーズ」という言葉でブランド化したものです。
直訳すると「有名デザイナーが手掛けたアパート」ということになります。しかし、全ての建築設計や内装、外装はデザインが必要であり、それを手掛ける人はみんな「デザイナー」です。つまり、全てのアパートが「デザイナーズアパート」と名前を名乗ることができます。

/// 1-2.時代による変化

デザイナーズ○○という言葉は、もともと1990年ごろに流行した言葉です。意味としては有名デザイナーが設計や外装、内装のデザインを手掛け、流行や最先端のデザインなど芸術的要素もふくめた高級住宅のイメージとして使われてきました。
今でも本来の意味は変わりません。しかし、賃貸や分譲賃貸をブランド化、差別化するために幅広く使われるようになったため、「デザイナーズ」と呼ばれる物件も変化しつつあります。

/// 1-3.「デザイナーズアパート」と呼ばれる物件とは?

「デザインにこだわったアパート」のことを一般的に「デザイナーズアパート」と呼びます。デザインと言っても外観、内装、間取りなど様々な視点のデザインがあります。一般的にお客様は「デザイナーズアパート」とは、次の条件のどれかに当てはまるようなアパートであるという認識を持っています

デザイナーズアパートと呼ばれる物件の特徴
・有名なデザイナーまたは有名な建築家が設計やデザインを行った、または一部に携わって建築されたアパート
・社会的に重要な建造物や規模の大きい建造物、または有名な建造物の設計やデザインに携わった人がデザインしたアパート
・流行や芸術性をもったおしゃれさや革新的な機能性を持ったアパート
・明らかに他と違う個性をもったアパート

定義や法的な根拠がないからといって、どんな物件でも「デザイナーズアパート」を名乗れば良いというわけではありません。お客様が想像するものと大きくかけ離れていた場合、信用を失うことになってしまいます。一般的にどのようなアパートを「デザイナーズアパート」として期待されているのか、最低限の条件は満たしておく必要があります。

2)デザイナーズアパートのメリット・デメリット

/// 2-1.メリット

差別化できる

おしゃれなデザインや個性的な特徴を作ることで近隣のアパートと差別化できます。同じ地域で似たようなアパートが多い場所では家賃が選ぶ基準になりがちです。デザイナーズアパートにして他のアパートとは比べることのできない個性を持つことで、ライバルとの差別化になります。

家賃を高めに設定できる

洗練されたデザインや材質、付加価値を高めることで近隣の相場より賃料を高めに設定することができます。家賃の設定は利益を大きくしたいからということだけではありません。家賃の設定により入居者の層も変わってきます。どのような入居者層をターゲットとして経営を進めていくのか。その際にデザイナーズアパートにするなど付加価値を高めることで家賃の設定を高くすることができます。

価値が下がりにくい

年月が経過してもおしゃれで住み心地の良いアパートは価値が下がりにくい特徴があります。通常のアパートでは年月の経過とともに建物が老朽化していきます。入居者の観点からも、誰かが何年も済んだアパートと新築のアパートが同じ条件ならほとんどの人が新しいアパートを選ぶでしょう。建物の古い、新しいという枠にとらわれないデザインを採用することでアパートとしての価値を維持しやすくなります。

客層を絞れる

デザイナーズアパートで方向性を明確にすること特定し客層を絞りやすくすることができます。特定の方向性を明示できればそれを必要とする入居者が集まりやすくなるからです。例えば働く女性、年齢層は30歳以上をターゲットにした場合、落ち着いた雰囲気、高級感、生活の利便性、女性ならではの防犯、安心感のあるデザインにすることで客層の的を絞りやすくなります。

不利な土地でも強みにできる

デザイン性や住み心地の良さを売りにすることで住居として不利な土地でも強みにすることができます。アパートでは広い土地や近くに駅、繁華街、公共施設が近いなどの利便性も入居率に大きな影響を与えます。たとえ不便な場所、狭い土地しか確保できなかったとしてもデザインという個性で強みにすることができます。

/// 2-2.デメリット

建築費用が高くなる

他とは違うアパートを建てるということはそれなりの建築費用が掛かります。よくある量産型の設計と違うということはそれだけ手間と時間が掛かります。

建築費用が高くなるポイント
・建築デザイナーのネームバリュー
・こだわりのデザインを実現するための建築設計
・こだわりの雰囲気を出すための材料費
・他とは違う建築を施工する技術料と人件費

安さではなく個性を売りにしていくのであればそれなりの費用が必要になります。

維持費用が高くなる

デザインにこだわった建造物では維持費用も高くなる傾向があります。

維持費用が高くなるポイント
・雰囲気の方向性を揃えるために補修する材料も限られる
・デザインが複雑な場合、技術や時間(人件費)がかかる
・特殊な材料を使用している場合、安い材料で替えが効かないこともある

デザイナーズアパートとしての雰囲気を損なわないためには建築の時だけではなく、経年劣化などによる維持管理費用も高くなる可能性があります。

デザインの方向性を見誤るリスクがある

デザインの流行り廃りがあります。今どれだけおしゃれで洗練されたデザインでも時間の経過と共に美的感覚や価値観は移り変わっていきます。デザイナーズアパートでも、デザインの方向性を間違えるとお金をかけた分の効果を得ることはできません。万人受けする一般的なアパートとは違うからこそ、デザインのリスクはよく考慮し、時間が経過しても価値を失わないデザインを選ぶ必要があります。

3)デザイナーズアパート経営の注意点

/// 3-1.好みのデザインを優先しない

デザインの理想は大切にしつつも、好みのデザインだけを優先しないようにしましょう。アパートに住むのは経営者ではありません。おしゃれで素敵なデザイナーズアパートでも入居者が集まらなければ経営は成り立ちません。

デザインを考える際は次の3点をよく確認して決めましょう。

デザインを決めるときに大切なこと
・ターゲットとなる入居者層が求めるデザインになっていますか?
・建築と維持に必要な費用と家賃の設定額が合っていますか?
・維持管理費用による影響を大きく受けるデザインになっていませんか?

/// 3-2.地域の入居者層をしっかりと見極める

デザイナーズアパートを建てる際は、地域の特徴を良く調べることが大切です。どれだけ洗練されたデザインのアパートでも、入居を希望する人がいなければ経営は成り立ちません。例えば学生をターゲットとしたアパートの場合、近隣に学校も駅も無いような場所では入居者を集めるのは難しくなってしまいます。また想定したデザインや機能性も効果が発揮できなくなってしまいます。
デザイナーズアパートを建てる際は地域にどのような人たちが住んでいて、どのような方向性のデザインが受け入れられるのかは良く見極める必要があります。

/// 3-3.住み心地も大切にする

デザイナーズアパートであっても、住み心地や生活の利便性も大切にします。個性やインパクトのあるデザインも大切ですが、アパートは人が住む場所です。住み心地の悪いアパートはおしゃれで魅力的でも入居率は安定しません。住みにくいことが口コミで広がれば入居率も下がってしまいます。
デザインやインパクトも大切ですが、長期間住んでも違和感がない、住みやすいデザインであることも忘れないようにしましょう。

4)デザイナーズアパートの建築費用相場

/// 4-1.構造による建築費用の違い

アパートの建築費用は本体を何で作るかによって大きく違いがあります。代表的な構造の違いと費用相場は次の通りです。

建築構造 建築費用相場
木造 2500万円~3000万円
鉄骨 3000万円~4000万円
鉄骨鉄筋コンクリート 3500万円~4500万円

費用相場は地域や素材の違い、形状、資材の量などさまざまな条件によって大きく変動します。しかし、億か数千万円かという話では予算の見込みがたちません。相場はおおまかにこのくらいの費用がかかるという目安として考えてください。

/// 4-2.デザイナーズアパートの建築費用相場

デザイナーズアパートの費用相場は一般的なアパート建築費用に500万~1000万円程度の費用を上乗せしたくらいが相場であると考えておきましょう。
デザイナーズアパートは一般的なアパートと比較して次のような要素が費用を変動させます。

デザイナーズアパートで金額が変わる要素
・有名デザイナー等への特別な設計料
・特別な材料等を使う場合の費用
・特別な建築を行う際の技術料

これらは決まりや法則があるわけではありません。デザイナーズアパートだからといって高額になるわけではなく、デザイン性に優れてもコストパフォーマンスを重視し、費用をできる限り抑えることもあります。

/// 4-3.デザイナーズアパートでは維持管理費用も大切

アパートは建築した後も入居者が住み続けていく生活の場となります。人が使い続けるので傷みも出ますし、メンテナンスも必要です。デザインが優れていても壊れやすければ何度も修理が必要になってしまいます。高価な素材を使いすぎると修理や修繕のたびに多額の費用がかかってしまいます。
デザイナーズアパートを建築する際は建築時の費用だけではなく、維持管理していく費用についてもよく検討しておきましょう。

/// 4-4.諸経費

諸経費は建築費用の5~10%程度を見込んでおくようにしましょう。諸経費は一定の金額だけではなく土地や建物の資産価値によって変動するものもあります。
諸経費にはさまざまなものがあります。すべてが必ず必要とは限りませんが、一般的に必要とされる諸経費は次のようなものがあります。

諸経費として考えられるもの
・測量費用(30万円程度)
・地盤調査費用(10万円~50万円程度)
・確認申請費用(6万円程度)
・アパートの登記を行う際の登録免許税(固定資産税×0.4%)
・不動産取得税(固定資産税の3%)
・水道を引きこむための水道分担金(100万~)
・融資手数料(5万円~10万円程度)
・地震・火災保険加入料(5万円程度/年)
・地鎮祭費用(5万円~10万円程度)
・建設工事契約に使用する印紙代(2万~6万円)
・司法書士の手続き代行費用(6万円~10万円程度)
・入居者募集等経営業務委託費用

5)設計事務所の種類と選び方

/// 5-1.実績が多い設計事務所

デザイナーズアパートを建てる際はどこの設計事務所に依頼するかはとても重要です。デザインに重点を置いたアパートを建てるので、設計者のセンスと技術、価値観が完成に大きく影響します。設計事務所を選ぶ際はまず実績が多い設計事務所を選びましょう。施工実績が多いということはそれだけ経験も積んでいますし、発生しやすい問題点や解決方法の知識も豊富に持っていることが多いからです。

/// 5-2.ホームページで実績とデザインを確認

今の時代、ほとんどの建築設計事務所はホームページを持っています。ネットで検索して設計した建物の実績を確認することができます。ホームページには実際に設計、建築した住宅やアパートの写真が掲載されていることが多いので、どのような特徴があるのかデザインと実績を確認してみましょう。
デザインの方向性はお客様の意向によるものなのでデザインのセンスまで知ることはできません。アパートのデザインを行っているか、住宅とアパート、どのくらいの割合で掲載されているのかなどを確認し、傾向や得意分野を探ることもできます。

/// 5-3.2社以上で比較検討が基本

気に入った建築設計事務所が見つかったら、2社以上の候補を挙げておくことをおすすめします。建築やアパート経営ではお金の価値観が合わないことがあります。理想のデザインや建築後の経営、メンテナンスのことまで考えてくれる建築士ばかりではありません。特に初めてアパートを建てる場合はどのような人が正解か分かりません。必ず2社以上の設計事務所に相談をし、納得できる事務所を選んで下さい。

6)まとめ

デザイナーズアパートを建てる際はどのような入居者層を狙っているのか、デザインの方向性を明確にすることが大切です。建築の際には信頼できる建築設計事務所を選び、建築費や建築後の運営のことも考えた予算を立てましょう。
費用に関しては建築費だけではなく維持管理していくことも考えて良いデザインにしていくことが大切です。

Y・T design-officeではアパートの新築設計や店舗デザイン、注文住宅設計など様々な建築デザインを行っております。デザイナーズアパートの設計、リフォームなど気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

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