【天井の種類5選】天井の選び方と特徴を紹介!

過ごしやすい空間を造る天井

1)過ごしやすい空間を造る天井

部屋の雰囲気に合った天井にはどんな種類があるのか分からない。どうやって天井を選んだらいいのか分からないと、天井の選び方について悩んでいませんか?実は天井の選び方にはポイントがあります。なぜなら天井は大きく分けて5つの種類があり、特徴を押さえてしまえば雰囲気に合った天井を選ぶことができるからです。
今回の記事では5種類に分けた天井の特徴と、天井選びの注意点をまとめました。この記事を読めば天井の基本的なデザインが分かり、空間に合った天井選びの基本を理解することができます。参考にしてみてください。

平天井(ひらてんじょう)

2)平天井(ひらてんじょう)

/// 2-1.平天井の特徴

平天井は、水平で段差がない平らな天井です。最も一般的な形で、住宅や店舗、オフィスなど空間の種類にかかわらず見かけることが多い天井です。
【回し縁】と呼ばれる縁で壁と天井の区切りをはっきりさせると部屋の雰囲気が引き締まり、メリハリのあるデザインになります。
逆に縁を造らず、壁と同じ色やデザインにして境目を目立たなくすると部屋全体が【開放的】なデザインになります。
最もシンプルな構造なため【費用が抑えられる】という点も大きなメリットです。

/// 2-2.平天井の注意点

平天井はシンプルなだけに【材質や色には注意】が必要です。
平天井は細工がないため個性を出すのは難しい天井です。基本的には白や薄い色を使用し部屋の雰囲気を邪魔しないようにします。
暗い色や柄の選択を間違えると閉塞感や圧迫感のある部屋になってしまいます。
天井が低い場合は圧迫感を感じることがあります。天井を高くできない場合は明るい色や柄を採用するか別の形状の天井で圧迫感を取り除く方法を考えてみましょう。

勾配天井(こうばいてんじょう)

3)勾配天井(こうばいてんじょう)

/// 3-1.勾配天井の特徴

勾配天井は天井が斜めになっている天井です。傾斜天井と呼ばれることもあります。屋根の傾きに合わせて天井に勾配(傾斜)をつけることで建物内の【空間を最大限広げる】ことができます。そのため視覚的だけではなく実質的に解放感があり広い屋内空間をデザインすることができます。
建物の外観に合わせた天井となるので屋根に接している部屋の天井に勾配をつけるのが一般的です。天井に窓をつけると日の光も入り、開放的な空間となります。

/// 3-2.勾配天井の注意点

勾配天井の注意点は【屋根と天井の間が少ない】ということと【天井が高い】という点です。
屋根と天井間が少ないため【外気の影響を受けやすい】【屋根裏のスペースを利用することができない】ということは考慮が必要です。屋根には断熱構造を取り入れ、屋根裏を使わない分の収納スペースは別で造る必要があります。
天井が高いということは【照明器具の設置、交換】【掃除やメンテナンス】が難しくなります。器具の設置、清掃、壁紙の補修など維持に手間と費用が掛かりやすいことは考慮しておきましょう。

折り上げ天井(おりあげてんじょう)

4)折り上げ天井(おりあげてんじょう)

/// 4-1.折り上げ天井の特徴

折り上げ天井は天井の中央部分を周囲の天井より上に段差をつけている天井です。簡単に言うと【段差のある天井】です。
天井に段差をつけることで視覚的に圧迫感を取り除き天井に奥行きが出ます。段差の大きさや形状、それを利用した陰影による造形など天井のデザイン性が大きく広がります。
視覚効果や形状、インテリアとの組み合わせなどにより開放的で快適な住環境のデザインだけではなく【高級感ある芸術的な要素】が高い天井です。

/// 4-2.折り上げ天井の注意点

天井を高くできるため照明器具の取り付けや掃除は手が届きにくくなります。折り上げ部に溝がある場合はそこに溜まるほこりの【掃除の手間】も必要になります。
天井の高さが十分に確保できない建物の場合、折り上げを造るためにかえって天井が低くなり圧迫感が出てしまったり、別の階の天井を低くしなくてはならなかったりすることがあります。
折り上げ天井のデザイン性だけではなく日頃の手入れや【他の部屋への影響】も考慮して採用を検討していきましょう。

5)下がり天井の特徴

/// 5-1.下がり天井の特徴

下がり天井とは、折り上げ天井と対照的に天井の一部分をあえて下げたデザインの天井です。下がっている部分は中央とは限らず効果や【アクセントをつけたい部分を下げます】。
下がっている部分と他の部分の素材や色を変えたり、照明器具の種類や配置を工夫したりすることで、個性的でスタイリッシュな天井をデザインすることができます。
屋根裏を撤去したり天井の高さを上げたりする必要がないので、マンションやオフィスなど部屋の形が決まっている場合に採用しやすい天井です。

/// 5-2.下がり天井の注意点

天井の一部を低くすることで【圧迫感】を感じる場合があります。効果的な下がり天井にするにはある程度の【知識が必要】になります。おしゃれな照明器具や流行のインテリアを見た目だけで選ぶと後々邪魔になることもあります。
どのような演出にしたいか、色や材質、機能性、効果などを考えて配置しましょう。思い付きとひらめきだけでは後で困ってしまうこともあります。建築デザイナーや専門的な知識を持つ人の意見を聞きながらのデザイン設計をおすすめします。

船底天井(ふなぞこてんじょう)

6)船底天井(ふなぞこてんじょう)

/// 6-1.船底天井の特徴

船底天井とは、中央部が一直線に高くなり、【部屋を開放的で広く見せる効果】を持っています。
勾配天井や折り上げ天井のメリットを合わせたような日本式の天井です。船の骨組みを逆さまにした船底のような形をしています。
ひと口に船底天井と言ってもいろいろなデザインがあります。勾配天井のように屋根の傾斜に合わせた合掌造りのようなデザインや、折り上げ天井のような段差を傾斜で作り上げた緩やかな傾斜のデザインがあります。

/// 6-2.船底天井の注意点

船底天井は和室で採用する場合が多く、天井板や梁が見える状態できれいな天井にするにはそれなりの技術や材料が必要なため費用は高めになります。
天井を上げて部屋の空間を広くする構造になっているので【屋根裏が造りにくい】【外気の影響を受けやすい】ということになります。
船底天井を採用する部屋が屋根の下である場合は断熱材や冷暖房の取り付けを考慮しておきましょう。天井を上げることで屋根裏は造りにくいので収納スペースについても考えておく必要があります。

天井の選び方まとめ

7)天井の選び方まとめ

普段意識して見ることの少ない天井ですが、それぞれデザイン性や機能性に大きな影響を与えます。天井の作り方によって部屋を開放的な印象にしたり、落ち着いた印象にしたりと雰囲気は大きく変わります。
今回ご紹介した基本的な天井の5つの形はそれぞれ特徴的な効果と注意点があります。注意点はマイナス要素ではなく別の場所や要素で補うこともできます。
今回ご紹介した内容を参考に、理想の空間づくりに役立てていただければと思います。

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