玄関ドアの種類、デザイン、防犯、機能性で失敗しない選び方!

玄関ドアを選ぶ3つのポイント
1)玄関ドアを選ぶ3つのポイント
/// 1-1.玄関ドアと家の相性

玄関ドアの家との相性
・外壁、内装など【家のデザインとの相性】
・玄関の向きや広さなど【間取りとの相性】
・住んでいる地域の【気候との相性】

家の雰囲気、デザインの相性は外観の印象に影響します。特に色、材質、西洋風・和風など統一感がないと玄関ドアだけが浮いた存在になってしまいます。
間取りも家の個性です。玄関の位置、向き、広さによって人の出入りの仕方、光の取り入れ方、空気の流れも変わってきます。
住んでいる地域によって潮風が吹けば鉄はさびやすく、湿気が多ければカビやコケが生えやすいなどメンテナンスが必要です。
ドアを選ぶ際は【家のデザイン】【間取り】【気候】との相性の良いドアを選びましょう。

/// 1-2.生活に関わる機能性

ドアの持つ生活に関わる機能性は以下のようなものがあります。
・開閉時のドアの【重さ】
・ドアノブや向きなどの【開けやすさ】
・通りやすいかどうか【間口の広さ】
・光をどれだけ取り入れるかの【採光性】
・空気の流れの【通気性】と【密閉性】
・外気を遮断する【断熱性】

全部が必要というわけではありません。ドアに必要とされる機能性はその家と住む人の特徴によって変わります。子供、女性、高齢者などが通りやすいドア、車椅子や大きな荷物が通りやすいドア、家の中の採光と通気性など、ドアの持つ機能と自分たちの生活があっているか確認します。

/// 1-3.防犯性

防犯性は
・ピッキングされにくい【鍵の性能】
・破壊されない【耐久性】
に注目します。

空き巣犯はピッキングに10分以上かかるとその家への侵入をあきらめるという傾向があります。ピッキングされにくい、時間のかかる鍵を選び防犯性の優れたドアを選びます。また玄関自体が破壊されないように防犯的な耐久性も重要です。

玄関ドアの形状の種類
2)玄関ドアの【形状の種類】
/// 2-1.開き戸ドア

ドアノブを持って押すか引いて開閉するタイプの玄関ドアです。基本的な形状として【片開きドア】【両開きドア】【袖付きドア】があります。
ドアが開くための扇状のスペースを確保する必要があります。

片開きドア

1枚のドアが出入口に対して手前または奥に開閉するドアです。開く方向は家の構造や使い勝手に合わせて【右開き】か【左開き】を選びます。

両開きドア

2枚のドアで中心部から手前または奥に開閉するドアです。広い間取りを必要としますが、解放感のある玄関になります。大人数の来客や大きな荷物の搬入に適しています。

袖付きドア

ドアの横にドア本体とは別の枠があるものを【袖付き】と言います。袖には採光のためにガラスが取り付けられていたり、ポストがつけられていたり、玄関ドアの性能を向上させる機能がついています。袖が開閉可能で大きなドアと小さなドアの組み合わになっているものは【親子ドア】と呼ばれています。

/// 2-2.引き戸

引き戸とは横に開閉するタイプの玄関ドアです。ドアがスライドするための横幅が必要になりますが、開き戸のように立体的なスペースを必要としないので玄関を広く使うことができます。構造上、開き戸に比べて密閉性が弱いです。
基本的な形状として【片引き戸】【両引き戸】【引違い戸】があります。

片引き戸

1枚のドアが横に開閉するドアです。壁添いにただ横にスライドするタイプと、開いたときに戸袋に入るタイプがあります。

両引き戸

2枚のドアが中心から外側へスライドして開閉する玄関ドアです。広い間取りを必要とします。左右にスライドするので全体的に大きな横幅が必要になります。引違い戸を組み合わせた4枚タイプと、開閉時に戸が戸袋に収納される2枚タイプがあります。

引違い戸

2枚のドアがスライドした際に、重なり合うように開閉するタイプの玄関ドアです。左右どちらからでも入ることができて戸袋のスペースが必要ないので広い間取りがなくても設置できます。

玄関ドアのドアノブの種類
3)玄関ドアの【ドアノブの種類】
/// 3-1.円筒状ハンドル

丸い円筒状のハンドルを回すことでドアが開くドアノブです。シンプルなデザインによく合います。ハンドルをしっかり持って回さないと開きません。荷物を持っているときなどは入りにくい形状です。

/// 3-2.レバーハンドル

レバーを下ろすことでドアが開くドアノブです。ハンドルが持ちやすく力をほとんど使わずに回すことができます。荷物を持っているときなどはハンドルを下ろすだけなので円筒形より開閉しやすい構造です。てこの原理が働くのでドアノブの付け根に負担がかかりやすく故障の原因になります。体重をかけすぎないように注意が必要です。

/// 3-3.サムラッチハンドル

サムは親指のことでラッチはドアが勝手に開かないようにする部品名です。ドアノブをつかみ親指でレバーを下ろすことでラッチが外れてドアを開くことができます。ハンドルが大きく持ちやすい形になっています。

/// 3-4.プッシュプルハンドル

ドアノブ全体を引くことでラッチが外れドアを開けることができます。両手がふさがっていても開けやすく、ドアノブ自体も大きくハンドルも軽いので幅広く使い勝手の良いドアノブです。

玄関ドアの材質の種類
4)玄関ドアの【材質の種類】
/// 4-1.金属

重厚感やメタリックな光沢があります。
主な材質
・アルミニウム
・スチール
・ステンレス

アルミニウムは軽くて耐久性も高いですが断熱性は弱いです。
スチールは重厚感のある重めの素材です。耐久性が高く頑丈です。
ステンレスは錆びにくく、腐食に強い素材です。

/// 4-2.木材

金属の雰囲気とは対照的に木が独特の持つ柔らかさや温かみがあります。
木材ですが変形やゆがんだりすることはほとんどありません。金属に比べ材質の劣化は起きやすいですが使えなくなるわけではありません。年月を経て風合いが変化していく素材です。

/// 4-3.ガラス:強化ファイバーグラス

光を通すので採光性に優れています。耐久性や防犯性は弱いですがたいていの場合金属や木材と合わせて使用されています。また割れにくい強化ファイバーグラスを用いることで防犯性をカバーしているものもあります。光を通す反面、家の中の様子が外からわかりやすいという特徴もあります。

玄関ドアの鍵の種類
5)玄関ドアの【鍵の種類】
/// 5-1.差し込み鍵

細長い形状の鍵を鍵穴に差し込んで回すことで開錠するタイプの鍵です。

2つの鍵穴で防犯

防犯上ピッキングに10分以上かかると空き巣の被害に遭いにくいとされています。一般的な鍵の場合ピッキングにかかる時間の目安として5分ほどとされており、鍵を2つ付けることでピッキングの時間を稼ぎ防犯につながるようにしています。

ディンプルキー

一般的な鍵とは違いピッキングしにくい形状の差し込み鍵です。それでも絶対に開かないというわけではなく、防犯上有効とされるピッキングの目安10分ほどを確保し防犯性を上げています。

/// 5-2.電子ロック

鍵穴を必要とせず電子制御で開錠するタイプの鍵です。差し込み鍵より便利ですが電気製品のため故障や電気の遮断によるトラブル、意図しない場面での自動施錠などには注意が必要です。

カードキー

カードの磁気データを読み取って開錠するタイプの電子ロックです。鍵を鍵穴に差し込む必要がないので開錠の手間がありません。電子ロックの場合自動施錠になっていると、カードを忘れたまま出てしまった場合入れなくなることがあります。

暗証番号

暗証番号を入れれば開錠するタイプの電子ロックです。鍵を必要としないので鍵を紛失したり他人に取られたりすれる心配がありません。ただし番号を知られてしまうと誰でも入れてしまうので注意が必要です。

スマートキー

差し込み鍵の変わりにボタンやスマートフォンなどで信号を送ると開錠するタイプの電子ロックです。鍵を差し込む手間やカードをリーダーに読み取らせることなくワンプッシュで操作できるので便利です。防犯上の注意としては、開錠のための電波を読み取り複製されてしまうという手口があります。

指紋認証

登録された人の指紋を認証して開錠するタイプの電子ロックです。防犯性はとても高く、複製も困難です。ただし指をけがしてしまったり年齢による指紋の変化によって、指紋が読み取れず開錠できなくなってしまうので注意が必要です。

顔認証

登録された人の顔を読み取り開錠するタイプの電子ロックです。複製が難しく防犯性はともて優れています。ただしマスクや帽子、髪型、病気やけがによる顔の変化によっては認証されないことがあるので注意が必要です。

玄関ドアのリフォームの費用と注意点
6)玄関ドアのリフォームの費用と注意点
/// 6-1.玄関ドアリフォームの費用

ドア本体の価格と、取り付け工賃を合わせた玄関ドアリフォーム費用の相場は30万円~90万円ほどです。中心価格は30万円~40万円となっています。取り付けるドアの価格、特殊な工事が必要な場合によって価格は大きく変動します。

/// 6-2.玄関ドアリフォームの注意点

ドアの持つ生活に関わる機能性は以下のようなものがあります。
・開閉時のドアの【重さ】

玄関ドアは失敗したら簡単に取り換えられるものではありません。信頼できる業者に依頼することが大切です。完成後も不備がないかしっかりとチェックし、おかしなところははっきりと指摘して下さい。支払いが完了するとやり直してくれない場合があります。
ドアを選ぶ際のデザインや機能性については家族でよく話し合って決めましょう。

玄関ドアの選び方まとめ
7)玄関ドアの選び方まとめ

新築でもリフォームでも、玄関ドアづくりで失敗しないためには玄関ドアの【形状の種類】【ドアノブの種類】【鍵の種類】【材質の種類】を知り、自分の生活に合わせたドアを選ぶことが大切です。玄関ドアは長年家族を見守り使い続けるものですので、住む人の意見を取り入れてみんなが心地よい玄関ドアにしてください。

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