新築にウォークインクローゼットは必要?メリット・デメリット、クローゼットと比較して徹底検証

はじめに

新築のマイホームにウォークインクローゼットは憧れのスペースですよね。しかし、実際に設置するとなるとコストやスペースの確保について不安を感じてしまう人も多いのではないでしょうか?ウォークインクローゼットが本当に必要なのか、従来のクローゼットで十分なのか迷うこともあると思います。

この記事では、ウォークインクローゼットのメリットとデメリット、設置方法や活用方法について詳しく解説し、ご自分にとってウォークインクローゼットが必要かどうかという悩みを解決するためのヒントをお届けします。
ウォークインクローゼットがご自身にとって快適な暮らしを実現するために役立つのかどうか、ぜひ参考にしてください。

1)ウォークインクローゼットの特徴と種類

/// 1-1.ウォークインクローゼットとは

ウォークインクローゼットは、歩いて中に入ることができる広い収納スペースのことです。一般的なクローゼットとは異なり、衣類や雑貨を収納するだけでなく、部屋の一部として利用できる点が特徴です。

ウォークインクローゼットにはさまざまな形状があります。それぞれの特徴を確認しておきましょう。

/// 1-2.Ⅰ型

Ⅰ型ウォークインクローゼットは、片側に収納スペースを設けるシンプルな形状です。一般的には壁に沿って一辺に収納を配置します。
この形状のメリットは、少ないスペースでもウォークインクローゼットを設置しやすいという点です。

ただし、片側の収納スペースに限界があり、収納力や使い勝手が制限されることがあります。配置によってはウォークインにしない方がクローゼットと部屋の広さを両立できる場合があります。

/// 1-3.Ⅱ型

Ⅱ型ウォークインクローゼットは、中央に人が歩けるスペースがあり、両側に収納スペースを設ける形状です。
この形状のメリットは、両側に沿って収納できることで見やすく、取り出しやすい点です。また、収納力も高くスペースを有効的に活用したバランスの良い収納が可能です。

一方で、Ⅱ型ウォークインクローゼットを設置するのに十分なスペースが必要です。ウォークインクローゼットを設置することによって他の部屋や間取りが不便にならないように考慮する必要があります。

/// 1-4.L字型

L字型ウォークインクローゼットは、家の角などのスペースを有効活用し、扉の位置が中央に設置できない場合などに収納スペースが壁に沿ってL字型になります
この形状のメリットは、コーナースペースや他のことに使いにくいスペースを無駄なく活用できることです。

L字型ウォークインクローゼットでは収納側でない2面に物を置くと取り出しにくくなったり、出入りがしにくくなったりなど、デッドスペースが発生しやすい特徴があります。

/// 1-5.U字型

U字型ウォークインクローゼットは、三方を収納スペースで囲む形状です。L字型ウォークインクローゼットのようなスペースで、出入口を中央に確保できるとU字型の収納スペースを確保することができます。L字型よりデッドスペースが少なく、効率的に収納することができます。

U字型ウォークインクローゼットでは奥の両角がデッドスペースです。辺と辺が交わる部分で、そこに収納したものは取り出しにくくなります。使用頻度の少ないものを入れるか、ハンガーの可動域としてあえて空間を確保しておくなど、工夫が大切です。

/// 1-6.ウォークスルー型

ウォークスルー型ウォークインクローゼットは、通り抜けができる形状で、2つ以上の出入り口からアクセス可能です。基本的にはⅡ型やL字型のウォークインクローゼットで、出入口を2か所作ります。

ウォークスルーにするメリットは、複数の部屋や廊下から出入りがしやすいことと、空気が通りやすくなることで湿気対策にも効果的なことです。部屋と部屋の間を廊下ではなくウォークスルー型クローゼットで間仕切りとして活用することも、収納を活かす効果的な間取りです。

2)ウォークインクローゼットのメリット

/// 2-1.収納力の高さ

ウォークインクローゼットは広いスペースを確保できるため、衣類だけでなくバッグや帽子、季節物など、様々なアイテムを効率的に収納できます

ハンガーラックや棚を活用すれば、整理整頓がしやすくなります。例えば、シーズンごとに衣類を分けたり、アクセサリーや小物類をカテゴリー別に整理したりすることができます。整理することでどこに何があるのかわかりやすく、また取り出しやすい収納になります。全体がすっきりと片付き、利便性が向上します。

/// 2-2.立体的な収納

通常のクローゼットは平面的で、奥に物を入れると取り出すのが大変です。ウォークインクローゼットは奥行も使いやすく、部屋という空間を使った立体的な収納空間になります。
ウォークインクローゼットでは収納空間の中に入ることができるため、視界的にも見やすくなります。立体的に移動することができるので季節による衣替えの際でも入れ替えがスムーズに行えます。

/// 2-3.生活感の目隠し

ウォークインクローゼットは外から見えないため、部屋全体の生活感を目隠しする効果があります。ウォークインクローゼットにすることで効率的な収納を行えるだけではなく、日常的に収納が視界に入りにくくなります。

部屋をすっきりと見せたいときや、生活感が出にくいデザインにしたい時などにも活用できます。収納されているものが隠れることで、部屋全体に整った印象を与え、快適な空間を保つことができます。

3)ウォークインクローゼットのデメリット

/// 3-1. スペースの確保が必要

ウォークインクローゼットの設置にはスペースが必要です。
生活の利便性を高めてくれる友好的な空間ですが、子供部屋や書斎など他にも確保したい部屋があると思います。住宅の間取りに余裕がない場合は設置が難しいことがあります

特に都市部や狭小住宅では、他の用途にスペースを割かなければならないので、ウォークインクローゼットのスペースを確保するのは難しいかもしれません。

/// 3-2.コストがかかる

ウォークインクローゼットの設置には費用がかかります。
ウォークインクローゼットのサイズやデザインによって異なりますが、建築の際には20万円から100万円程度の相場が一般的です。

設置するだけでなく、内部の仕様や収納アイテムを選ぶ際にもコストがかかることを考慮する必要があります。

/// 3-3.効率的な収納方法が必要

ウォークインクローゼットは広いスペースを持つため、適切に管理しないと無駄なスペースになることがあります。ウォークインクローゼットは物を詰め込みすぎると使いにくくなります

スペースがあるとつい色々なものを置いてしまいがちです。物が多くなると出し入れしにくいだけではなく、ぎゅうぎゅうに詰まった服同士が擦れて服が傷んだり、カビや湿気が発生したりするリスクが高まります。

4)クローゼットとウォークインクローゼットの比較

ウォークインクローゼットは通常のクローゼットよりも効率的なのでしょうか?ウォークインクローゼットが必要かどうかを考えるために、それぞれの特徴を比較してみましょう。

/// 4-1.特徴を比較

項目 クローゼット ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼット 10~50万円 20~100万円
スペース 狭い 広さが必要
見栄え 外から見える 外から見えない
使い勝手 平面的 立体的
収納効率 工夫次第 管理が大切

クローゼットは費用の負担は軽く、広いスペースを使わず収納を確保することができます。
ウォークインクローゼットは費用とスペースが必要になりますが、生活空間から切り離した大きな収納を得ることができます。
収納が大きいということは便利である反面、整理や管理の負担も増えるということになります

/// 4-2.クローゼットに向いている人

一般的なクローゼットは、比較的コンパクトなスペースでも効率よく収納を確保できるため、限られたスペースを有効活用したい人に向いています。

・一人暮らしや少人数の家族
・小規模な住居で生活している
・収納はシンプルでこだわらない

クローゼットは、必要最低限の衣類や小物を整理しやすい設計になっており、収納家具などを工夫することでスペースをさらに有効に使うことができます。

/// 4-3.ウォークインクローゼットに向いている人

ウォークインクローゼットは、広い収納スペースを必要とする人に向いています。特に、ファッションに興味があり、多くの衣類やアクセサリーを持っている方には最適です。

・たたむことができない服をたくさん持っている
・衣類だけでなくバッグや靴、帽子などのアイテムたくさん持っている
・ファミリー世帯

ウォークインクローゼットは衣類の収納に適しています。おしゃれ好きな人、子供など家族が多い世帯に向いています。もし衣類ではなく物を置くスペースが欲しいのであればウォークインクローゼットより物置を検討したほうが良いでしょう。

5)ウォークインクローゼットの設置と使い方の注意点

ウォークインクローゼットを効果的に活用するためには、以下の注意点を押さえておきましょう。

/// 5-1.歩くスペースの確保

ウォークインクローゼット内で人が歩くスペースを確保することが大切です。歩くスペースを確保しておかないと服の出し入れも大変ですし、歩くたびに服と人がぶつかって服が傷みやすくなります。
確保する人の動くスペースは、少なくとも幅60cmほど必要です。

人が動くスペースを確保したうえで、Ⅰ型やⅡ型など、どのような形のウォークインクローゼットにするのかを検討しましょう。

/// 5-2.収納グッズの活用

ウォークインクローゼットでは、三段ボックスや衣装ケース、チェスト、メタルラックなどの収納グッズを活用することで、効率的な収納が可能です。
ウォークインクローゼットは広くて大きい分、どうやって収納するかで使いやすさが大きく変わります。
服や小物をカテゴリーごとに整理し、収納する物の種類や形状に合わせ、わかりやすく分類できる収納器具を活用しましょう

/// 5-3.カビと湿気対策

ウォークインクローゼットは通気が悪くなりがちです。大切な服などを保管する場所ですから、衛生的に保っておく必要があります。湿気が多くなるとカビや害虫が発生し、服やカバン、アクセサリーをダメにしてしまいます。
ウォークインクローゼットは効果的に換気する必要があります。ウォークインクローゼット内に換気扇を設置したり、除湿剤を置いたりして湿気対策を行います

ウォークインクローゼットの通気性を高めるには間取りも大切です。小窓などが設置できる場所やウォークスルー型なども検討してみましょう

/// 5-4.収納量を調整

ウォークインクローゼットは収納量を減らし、コンパクトにすることも大切です。詰め込みすぎるとウォークインクローゼットの使い勝手が悪化します。定期的に断捨離を行い、必要なものだけを保管することで、使いやすい収納環境を維持します。

ウォークインクローゼットに何を入れるのか、あらかじめしっかり決めておき、それ以外の物が増えすぎないよう心がけましょう。

/// 5-5.将来を見据えた設置計画

ウォークインクローゼットは長期間使用する空間ですので、将来の変化に対応できる設置計画を立てることが大切です。

お子さんのいる家庭ではお子さんの成長の変化を見据えておく必要があります。服の種類や大きさ、量も変わってきます。大きなスペースを必要とするウォークインクローゼットが将来的に必要かどうかも見据えて設置を検討しましょう。

6) 効果的な間取りと設置

ウォークインクローゼットを設置する場合、家のどこに設置するのが効果的でしょうか?
ウォークインクローゼットを効果的に使うための間取りと設置について解説します。

/// 6-1.寝室

寝室はウォークインクローゼットを設置する場所として効果的な場所の1つです。頻繁に出入りする場所ではなく、また来客があったときや日常生活の中でも目につきにくい特徴があります。フォーマルな服やたまにしか使わない服などを収納しておくのにも使い勝手がよく効果的です。

寝室には着替えなども置いてあることが多く、ウォークインクローゼットに収納してあるバッグやアクセサリーなども合わせてコーディネートしやすいというメリットもあります。

/// 6-2.廊下

廊下にウォークインクローゼットを設置すると、一つの部屋のようになります。ウォークインクローゼットを廊下に設置すると、家族全員が使いやすい場所になります。特に普段使う衣類や必要なアクセサリーなどを手軽に取り出せるため、収納機能としての効率が良くなります。
廊下に設置することで日常の動線もスムーズになります。

/// 6-3.扉の有無

ウォークインクローゼットは扉を付けるかどうかで効果が変わります。
扉はウォークインクローゼットの中を見えないようにすることで部屋の雰囲気を守ってくれます。
扉を付けなかった場合、見えるウォークインクローゼットにすることで部屋を開放的で広くみせるという方法もあります。ウォークインクローゼットの中をきれいに整理することで部屋と一体的になったおしゃれな空間にすることもできます。

7)まとめ

ウォークインクローゼットは、その広い収納力と使い勝手の良さから、多くの注文住宅で人気のある設備です。しかし、設置には十分なスペースとコストが必要であり、適切な管理が求められます。メリットとデメリットをしっかりと理解し、自分の生活スタイルに合ったウォークインクローゼットを設置することが、快適な暮らしへの第一歩です。
ウォークインクローゼットを上手に活用し、理想のマイホームを実現してください。

Y・T Design設計事務所では、新築注文住宅や住宅リフォーム、店舗デザインなどを承っております。住宅設計や内装、建築デザインについてなど、お悩みのことがありましたら気軽にご相談ください。

お問い合わせ・資料請求

建築のことなら何でもご相談下さい。

【一級建築士事務所】
合同会社Y.Tデザインオフィス
TEL/ 049-234-3800
電話受付 / 平日10:00~20:00