【後悔しない!使いやすいパントリーとは?】失敗例から学ぶ間取りやレイアウトのポイントを解説

はじめに

新築でパントリーを設置して機能的なキッチンにしたい!でも、使いにくいパントリーで後悔したくないですよね。
おしゃれで大きな収納スペースとなるパントリーで失敗しないために、どのようなことに気を付ければよいのでしょか?

パントリーで後悔しなためには「失敗例から学ぶ」ということがポイントです。
この記事ではパントリーの種類やメリット・デメリット、失敗例から学ぶ間取りの工夫まで詳しく解説していきます。
この記事を読めば、パントリー設置の際に注意すべきポイント、失敗しないための対策が分かるようになります。
これから新築やリフォームでパントリーを検討している方はぜひ参考にしてください。

1)パントリーとは

/// 1-1.新築で人気のパントリー

パントリーとは英語の「pantry」のことで、、キッチンに隣接した場所に設けられ、主に食器や食品を収納するスペースを示す言葉です。

便利でおしゃれなキッチンの収納スペースとして若い世代を中心に人気を集め、多くの新築でパントリーの設置が取り入れられるようになっています。
特に、家族が多くキッチンに物が溢れやすい家庭や、まとめ買いをする方にとって、パントリーは整理整頓と利便性を高める理想の収納スペースとなります。

新築だけでなくリフォームの際にも、キッチンやダイニングにパントリーを新たに取り入れる家庭が増えており、動線や使いやすさを考慮した設計がポイントです。

/// 1-2. パントリーの種類

パントリーには設置する場所によっていくつかのタイプがあります。

代表的なパントリーの種類

・ウォークインパントリー
・キャビネット型パントリー
・引き出し型パントリー

などがあります。それぞれの特徴について確認しておきましょう。

①ウォークインパントリー

キッチンの隣に設置される広めの収納空間で、小さな部屋のように入り込めるスペースが特徴です。一般的にパントリーと言えばまずこのタイプを連想されるでしょう。
パントリーの中ではもっとも収納スペースを確保することができますが、その分面積も大きく取る必要があり、他の部屋とのバランスや配置場所に注意が必要です

➁キャビネット型

ウォークインパントリーに次いで多いとされるキャビネット型パントリーは「壁面収納型」と呼ばれることもあります。その名の通りキッチンの壁面に棚や収納器具を配置するタイプのパントリーです。ウォークインにするほどのスペースが確保できない場合や、キッチンでの作業効率を高めたい場合に効果を発揮します

③引き出し型パントリー

引き出しはほとんどのキッチン備え付けられていますが、これもパントリーの1つです。収納容量の大きいものや収納効率を意識して作られたものを主に引き出し型パントリーと呼ばれることがあります。
パントリーの中ではもっとも小さいスペースで設置可能なタイプのパントリーです

/// 1-3.広がるパントリーの使い方

パントリーは基本的に食器や食材を保管しておくスペースですが、ウェークインパントリーなど大きな収納スペースを確保することで利用方法の幅も広がっていきます。

パントリーの利用例

・多種多様な調味料や食材の保管
・日用品のストック収納
・普段使わない物の保管庫
・家電製品置き場
・小部屋としても併用

パントリーは食器や食材の保管スペースを増やすだけではありません。日用品や普段使わないものを保管する倉庫の代替や、家電製品の置き場所としてキッチンをすっきりと使いやすくすることもできます。ウォークインパントリーは小さな机を置き、小部屋として併用することも可能です。

2)パントリーを設置するメリットとデメリット

/// 2-1.パントリーのメリット

パントリーを設置する大きなメリットは収納が増えるということです。パントリーで収納を増やすことによって次のようなメリットがあります。

① 収納スペースの確保

パントリーを設置することでキッチン以外にも収納スペースが生まれ、調理に必要な物をまとめることができます。これによってキッチンが広々と使えるようになります。

② まとめ買いがしやすくなる

パントリーがあれば保管できる容量が増えるので、まとめ買いがしやすくなります。近年ではコストコや業務スーパーをはじめ、大容量の物を安く購入できるお店が人気となっているため、お買い物を楽しむ幅が広がり、節約効果も生まれます

③ キッチンの機能性が上がる

キッチンには料理に必要な物だけを配置し、日用品やストック品はパントリーにしまうことで調理がしやすい空間が保てます。家電や使用頻度の少ない食器、食材などをパントリーに保管することで、キッチンの整理整頓がスムーズになり家事効率が向上します。

/// 2-2.パントリーのデメリット

便利なパントリーですがデメリットもあります。パントリーで失敗しないためにはデメリットへの理解と対策をしておくことが大切です。
具体的にどのようなデメリットがあるのか確認しておきましょう。

① スペースが必要

パントリーを設置するためにはそれなりのスペースを必要とします。十分な間取りを確保できない場合は少ないスペースで設置可能な工夫が必要です。無理な配置で他の間取りを圧迫してしまうと、かえって住みにくい家になってしまうことに注意が必要です。

② 設置費用がかかる

パントリー設置には壁や棚が必要であり、それに伴った費用が発生します。材料費、建築のオプション費用の他、使用する棚の材質や収納器具によって費用が異なってきます。予算をしっかりと考慮する必要があります。

③ 掃除や管理の手間が増える

パントリーは優れた収納スペースとして活用できますが、収納が増えるということは物が増え、掃除や管理の手間が発生するということです。保管した物品の整理や衛生的に保つために必要な掃除といった手間が発生することも考慮しておきましょう。

3)パントリーでの失敗例

/// 3-1. 使いにくくて使用頻度が少ない

パントリーの失敗例としてもっとも多いのが、「使いにくくて徐々に使用しなくってしまう」ことです。
この失敗を防ぐためには、実際に使うことを想定することが大切です。

チェックポイント

・使いにくいところがないか
・不快に感じることがないか
・家事や生活動線を考えて不便がないか

パントリーは生活をするうえで継続して使用していく場所です。少しのことでも毎日となると苦痛に感じてしまうこともありますので、継続できる設計を心がけましょう。

/// 3-2.なくてもよかったかも

「おしゃれなキッチンと言えばパントリー!」と、憧れで設置したものの、不用品の物置としてしかほとんど利用しない。これなら別の収納でもよかったかもしれない。という失敗例も多くあります。
この失敗を防ぐには具体的にパントリーの必要性をよく検討することが大切です。

チェックポイント

・何をどれくらい収納するのか
・設置後に無理なく維持管理できるか
・代わりとなる他の収納はないか

キッチンにパントリーがあるというのはおしゃれで機能的なため、多くの人が憧れます。しかし現実として維持位管理の手間がかかります。
家全体で考えたとき、設置する収納スペースはパントリー以外にもあるはずです。他の収納とパントリーを比較して、どこの収納が効果的なのか、パントリーの必要性を考えることで「なくてもよかったかも」という失敗を防ぐことができます。

/// 3-3.ないほうがよかった

パントリーの失敗例でもっとも避けたいのが「ないほうがよかった」というケースです。
パントリーを設置することで他の部屋が狭くなったり、生活動線の邪魔になったりする場合は、パントリーの設置が結果としてマイナスにしかならなかったということです。
この失敗を防ぐには、パントリーの設置だけではなく、家全体の間取りや生活動線を考えて検討することが大切です。

チェックポイント

・パントリーより他に優先するべき場所がないか
・生活動線、家事動線を考えて邪魔にならないか
・外観の悪い位置に配置していないか

せっかく費用とスペースを使ってパントリーを設置するのですから「ないほうがよかった」という事態は絶対に避けたいところです。使用目的を明確にして、間取りや人の動き、見た目の悪さなど気になることがないかチェックしてみましょう。

4)パントリーの広さと間取りのポイント

/// 4-1.使いやすいパントリーの広さ

必要なパントリーの広さとは、家族の人数や収納したい物品の量などよって異なります。ここでは使いやすいウォークインパントリーの目安としての広さを解説します。

使いやすいパントリーとは、広ければ良いというわけではなく、広すぎるとかえって使いにくいということに注意が必要です。

適度な広さの目安

・広さ:2~3㎡
・部屋の奥行:1~2m
・人が歩ける幅:80cm~100cm

使いやすい広さは体格や使用頻度、収納する物の種類や量によって異なります。広さの例はあくまで参考に、自分で動いて使いやすい広さがどれくらいなのか、モデルルームなどを利用して実際に確認してみるのも良いでしょう。

/// 4-2.パントリーに適した間取りと配置

パントリーは主に食器や食材を保管することを目的とした収納空間ですので、キッチンと隣接した場所や、近い場所に設置することが基本です。作業効率を考えるとできれば隣接した場所を選んだ方が良いでしょう。

パントリーを使いやすくするためには、玄関とキッチンの間に設置すると生活の利便性は高くなります
パントリーの間取りは生活の邪魔になりにくい場所として「キッチンの奥が良い」と考える人がいます。しかし、パントリーはまとめ買いなどたくさん購入した場合やお米など重いものを保管することも多い場所です。重い物や数の多い物を購入してから何度も遠い場所へ運ぶのは意外と大変なことです。
収納と維持管理だけではなく購入した物を運び込むことも考えた間取りにすることで、使いやすさや効率が良くなります。

5)パントリー棚と収納の工夫

/// 5-1.パントリーに適した棚の奥行

パントリーを便利に活用するためには奥行が大切です。棚の奥行が浅すぎると収納する物品や収納ボックスが棚に乗らず、結果として収納できる物の種類が少なくなります。
逆に奥行が深ければ良いというわけではなく、不必要な奥行の広さは「取り出しにくい」「見えにくい」という弊害が生じます。
収納棚は適度な幅であることが大切で、一般的には30〜45cmが丁度良いとされています。

はじめから大きな収納ケースを使用する予定がある場合や、大きな物品を保管する予定がある場合は必要に応じた奥行にしてください。

/// 5-2.収納ボックスを活用

収納ボックスを活用することでパントリーの整理整頓がしやすく、取り出すときにも便利です。
ボックスごとに分類することで、調味料、缶詰、乾物、日用品などをカテゴリー別に整理し、出し入れのしやすくなります。さらに、ラベリングを行うことで内容が一目でわかり、使いやすくなります。
重ね置き可能なボックスを選べば、状況に応じて縦のスペースも無駄なく活用できるので、パントリー全体を効率的に使えます。頻繁に使う物は手前に配置するなど、ボックスの位置を工夫することで、よりスムーズに作業できるようになります。

/// 5-3.落下防止などの安全対策も

パントリーをより使いやすくするためには、安全対策も欠かせません。特に地震の多い日本では棚からの落下防止策を考える必要があります。
重い物や落ちてきたら危ないものはなるべく下の段に置くことはもちろん、棚の手前にストッパーを設置したり、滑り止めテープを使用したり、落下防止への考慮が必要です。
また、棚自体が転倒しないように転倒防止器具を設置し、重いものが上に集中するなどバランスの悪い収納にも気を付けましょう。

収納スペースとしての利便性を高めると同時に、安全性も確保することで、パントリーは安心して使える有効的な空間になります。

6)その他の注意点

/// 6-1.見やすい照明の位置と選び方

パントリーの照明は見た目だけでなく位置や形状も大切です。
棚と照明の間に人が立つような状況になってしまうと、自分の影で棚の物が見えないということが起きます。
照明器具は見た目だけではなく、棚を見やすくするという本来の機能をしっかり果たせることが大切です。

照明のポイント

・スポットライトや吊り下げ式照明は影ができやすい
・壁を白系にすると光が反射しやすい
・複数か所に照明を設置すると影になりにくい

スポットライトのように一方向から照らすタイプの照明は光が届かない場所や、影になってしまう場所が発生しやすくなります。
吊り下げ式のように低い位置に照明を設置すると、部屋全体に光が行き届きにくくなります。
照明は出来るだけ高い位置に設置し、部屋全体に光が届きやすくすることが大切です。
また、壁を白系など明るい色にすることで光の反射を利用したり、効果的な場所に2か所以上の照明を設置したりすることで、見えにくい場所を減らすことができます。

/// 6-2. 匂いと湿気対策

食品や食器を保管するパントリーは空気の流れを意識することが大切です。
他の部屋と比較して、生活の優先度が低いパントリーは外光の入りにくい場所や袋小路になった場所に設置されやすくなります。そういった場所は湿気や匂いが溜まりやすくなります。
食品を衛生的に保ち、快適な空間にするためには匂いや湿気をどのように流していくかを考えておきましょう。

例えば、換気扇の設置や通り入り口が2か所以上あるウォークスルー型にするという方法があります。
消臭剤や除湿剤を置くということも方法の1つですが、自然な状態で手間がかからないことが、長年使い続ける上では重要なポイントになってきます。

/// 6-3.維持管理のしやすい設計にする

パントリーの設置では維持していく手間をどれだけ少なくするかということも大切です。
パントリーは食品や食器、日用品などを保存する場所ですので、衛生的で安全な場所でなければなりません。
例えば、棚数が多いことや構造が複雑で掃除の手間が多い場合や壊れやすくて修繕・維持が難しい場合などがあります。

パントリーの維持管理のポイント

収納は棚の数が多さや広さがあるほど、掃除や片付けの量もふえる
装置や器具はいつか必ず壊れる

この2点を確認し、掃除や修理などの管理が継続できるのかを考慮した設計を行いましょう。

7) まとめ

平屋には、多くの魅力と共にいくつかのデメリットも存在します。
生活動線がシンプルで、階段がないことからバリアフリーにしやすく、維持コストも抑えられる一方で、土地面積の利用効率や防犯面での課題もあります。
しかし、間取りの工夫や適切な対策を講じることで、平屋の魅力を最大限に引き出し、快適な住まいを実現することができます。

平屋建てを検討している方は、本記事を参考にして、自分にとって最適な住まいを見つけてください。

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