理想の寝室を叶える!間取りと照明で実現する快適な空間作り

理想の寝室とは

快適な寝室は睡眠の質や日常生活にも大きな影響を与えます。快適でおしゃれな寝室をつくるにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?

寝室の広さはもちろん、リラックスできる色の選び方や外部からの音を遮る工夫、心地よい光の演出、そして適切な温度管理といった要素がバランス良く調和していることが大切です。
これらのポイントを押さえることで、ただ眠るだけの場所ではなく、心身ともにリラックスできる快適な空間を手に入れることができます。

この記事では、理想的な寝室レイアウトを実現するための基本ポイントを詳しく解説します。 

1)快適な寝室の広さを考える

/// 1-1.家族構成に応じた広さの選び方

限られた間取りの中で快適な寝室を作るには、ベッドやクローゼットを置いても圧迫感が少ない、6畳から8畳程度の広さが適しています

寝室を作る際は家族構成とライフステージの変化を考慮することが大切です。小さな子供がいる家庭では子供と一緒に寝るスペースやベビーベッドを置くこともあるかと思います。しかし子供が成長すれば一緒に寝ることもほとんどなくなります。

子供が自分の部屋を持つようになる頃、寝室は夫婦がリラックスして過ごせるプライベートな空間へと変わっていきます。このように寝室の使い方はライフステージによって変化するということを覚えておきましょう。

/// 1-2.寝室の広さと家具配置のポイント

寝室が広くても、家具の配置がうまくいかないとスペースを十分に活かすことができません。効率的な家具配置を心掛け、動線を確保しながら広さを最大限に活用しましょう。

寝室家具配置のポイント

・クローゼットやタンスは出入り口からの動線を邪魔しない場所に配置する
・ベッドは窓からの光が直接当たらない位置に置き、目覚めがスムーズになるように工夫する
・部屋の隅やデッドスペースには収納家具を置くことで、スペースを有効的に活用する

/// 1-3.ゆったりした寝室にする工夫

①物は出来るだけ少なくする

視界に物がたくさんあると落ち着きのない印象になります。不要なものは断捨離し、必要なものは出来るだけコンパクトにまとめ、見えないように工夫することで部屋を広く感じることができます。

②視覚の工夫

空間を広く感じるために視覚的な工夫も効果的です。
明るい色を基調としたインテリアや壁紙を取り入れると部屋が広く感じられるようになります。また、鏡を上手に配置することで、視覚的な広がりを演出することができます。

③床面を広く見せる

タンスなどの収納家具を壁面に沿って配置し、床面をできるだけ広く見せることもポイントです。できるだけまとまった床面が見えることで、限られた広さの中でもゆとりのある快適な印象になります。

2) 照明で変わる寝室の雰囲気

/// 2-1.照明の種類と選び方

①メイン照明

メイン照明は、天井に設置するシーリングライトやペンダントライトが一般的です。明るさを調節できるものや、色を変えられるタイプを選ぶと、昼間は活動的な雰囲気を、夜は落ち着いた空間を作ることができます。

②タスク照明

タスク照明は読書や書き物など、作業する場所だけを照らす照明です。デスクライトやスポットライトなどがあります。明るさと角度を調整できるものが便利です。特に読書灯は、視力に負担をかけないような柔らかい光を選びましょう。

③間接照明

間接照明は、壁や天井に光を当てることで、柔らかな光の広がりを生み出します。ダウンライトやフロアランプ、ウォールライトなどがあります。間接照明をうまく使うと、寝室全体が心地よくリラックスできる空間に変わります

/// 2-2.調光機能を活用

照明器具の中には光の段階を調整できる調光機能を備えたものがあります。機器の性能によって段階の細かさや色合いの変化などさまざまなものがあります。

調光機能を活用することで、寝室の雰囲気を自在にコントロールできます。リモコンやスマートフォンで操作できる調光機能付きの照明を選ぶと、ベッドにいながら光の強さや色味を調整できます。

調光は部屋の雰囲気だけではなく、体にも優しい機能です。
昼間は明るく、夜は落ち着いた柔らかな光に変えることで、生活のリズムを整える効果があります。
読書の際には明るい光を、リラックスタイムには柔らかい光にするなど、シーンに応じて光を変えることも効果的です。

/// 2-3.機能性とデザイン性の両立

照明を選ぶ際には、機能性だけでなくデザイン性も大切なポイントです。特に、寝室は一日の疲れを癒す場所なので、視覚的にリラックスできるデザインが求められます。

最近のトレンドとして、シンプルでモダンなデザインが人気です。シンプルな照明器具は、どんなインテリアにもマッチしやすく、空間をすっきりと見せる効果があります。
間接照明を取り入れたデザインや、照明そのものがアートのように見えるものも注目されています。

機能性の面では、消費電力や長寿命といったエコ要素も考慮することが大切です。
LED照明は省エネ効果が高く長期間使用できるため、コストパフォーマンスにも優れています。

機能性とデザイン性を兼ね備えた照明を選ぶことで、寝室がより快適で魅力的な空間になるでしょう。

3)色の選び方とその効果

/// 3-1.色がもたらす心理的効果

①鎮静効果

ブルー系は鎮静効果があり、ストレスを軽減しやすく、寝室に最適な色の一つです。グリーンは自然を連想させ、リラックスした気分を促します。

②活性効果

レッドやオレンジといった暖色系はエネルギーを高める効果があり、交感神経が活発になりやすい効果があります。

③濃淡による変化

色の濃さも心理的効果に影響を与えます。濃い色は落ち着きをもたらしますが、暗すぎると重苦しい印象を与えることもあります。反対に、淡い色は明るく開放的な気分を作り出し、リラックスしやすい空間を作ります。

/// 3-2.心地よい色の組み合わせ

①ホワイト&ベージュ

ホワイトは清潔感と開放感を感じさせてくれる色です。光を反射するため明るく軽やかな印象を与えてくれます。ベージュは木や土のイメージを持ち、温かみや柔らかさを感じさせてくれます。ホワイトとベージュを合わせることで明るさと温もりのある雰囲気になります。

②ブラック&ベージュ

ブラックは硬さや落ち着きを感じさせてくれる色です。暗い色はどっしりとした安心感を与えてくれる色です。黒だけでは重苦しい雰囲気になりがちですが、自然の柔らかさを感じさせてくれるベージュを合わせることで落ち着きと温もりを両立した雰囲気にすることができます。

③グレー&ホワイト

グレーはブラックとホワイトの中間色で、どちらの要素も持っています。しかしグレーだけでは無機質な印象が強くなってしまいます。ホワイトと組み合わせることで明るさが加わりシンプルでバランスの取れた配色になります。
グレーを濃くすると落ち着いた雰囲気に、淡くすると軽やかになります

/// 3-3. 寝室で避けたい色使い

寝室の色選びでは眠りを妨げるような配色を避けます。
刺激の強い色は心拍数を上げたり、興奮を引き起こしたりするため、寝室には不向きです。

①レッド系の色

レッド系は興奮作用が強いため、寝室で最も避けるべき色です。オレンジやピンクなども赤系なので寝室の使用には避けるようにしましょう。

②原色に近い色

赤系以外でも原色に近い濃い色には注意が必要です。濃い色は刺激が強く、目がチカチカしたり圧迫感を感じたりすることがあります。濃い色を使いたいときは出来るだけ自然に近い色を選ぶと良いでしょう。

③過度に暗い色

暗い色は気持ちを落ち着かせる効果がありますが、気持ちが落ち込みやすい効果もあるので注意が必要です。重圧感や重厚感が強いため閉塞的な印象にしてしまうことがあります。

④寝室に合わない色を使いたいときは

刺激の強い色や暗く重い色を使う場合は、ホワイトや薄いベージュやグレーなどと組み合わせるとその効果を弱めることができます。また、原色ではなく薄い色にするなどの工夫が必要です。

4)音環境の整え方

/// 4-1.防音対策

寝室の壁や床には、防音効果のある素材を使用すると効果的です
家族が一つ屋根の下で生活する中で、どうしても音は発生してしまいます。子供たちが成長してくると活動する時間も変わってきます。音が発生しにくい素材選びや響かない対策をすることが大切です。

例えば、フローリングを歩くと音が出やすいですが、カーペットやクッションフロアなどの柔らかい素材を使うことで音の発生を抑えることができます。
また、音を響かせないために、寝室の壁に防音性能が高い石膏ボードや吸音材を壁に取り入れることで、他の部屋や外からの音の伝わりを大幅に抑えることができます。

/// 4-2.静かな寝室を作るための間取り

騒音を防ぐためには、間取りの工夫が欠かせません。防音性を高めても騒音源と隣り合っていれば完全に防ぐことは難しいです。
寝室を静かな空間にするためには騒音源から遠ざけるか、収納部屋や廊下など静かな空間を間に挟むという方法があります。

家が大きな道路に面している場合は、庭側や住宅の中心部に寝室を設けることで、外からの音を軽減できます。また、リビングルームやキッチンのように音が発生しやすい部屋とは、寝室をできるだけ離して配置すると良いでしょう。

/// 4-3.水回りや空調の配置にも注意

寝室を快適な空間に保つためには、水回りや空調の配置も重要なポイントです。水が出る音や配管を流れる音が気になると、快適な睡眠を妨げる原因になります。

①水回りの配置

水回り、特にバスルームやトイレが寝室に隣接している場合、水の流れる音や排水音が直接寝室に響かないように、壁の防音対策や適切な距離を保つことが大切です。また、水回りからの湿気が寝室に入り込まないよう、換気や空気の流れにも配慮しましょう。

②空調設備の配置

エアコンや換気扇が直に風を当てる場所にベッドを置くと、体調を崩しやすくなります。風が直接当たらない場所にベッドを配置できる間取りを考えます。また、風向きを調整できる機能や静音タイプの空調設備を選ぶと良いでしょう。

5)快適な寝室を作る窓の工夫

/// 5-1.窓が室内に与える影響

窓の選び方は大きさや配置、窓の機能性が大切なポイントです。窓は室温や湿度だけではなく、健康、プライバシー、防犯にも影響します。

①室温への影響

窓は室温と湿度に大きな影響を与えます。大きな窓は明るさを取り入れる半面、太陽光の熱を多く部屋に取り入れます。冬場は暖かいですが夏場は室温が高くなり空調も効きにくくなります。

②結露の発生

外気と室温に差が出ると結露が発生します。結露はカビを増殖させて健康へ悪影響を及ぼします。また、結露によって発生した水分は木や金属を腐食させ、家の寿命を縮めてしまいます。

③防犯性

大きな窓は風が通りやすく、涼しい夜は外の風を取り入れたいということもあるかと思います。しかし大きな窓は外から見えやすいことや、外から侵入されやすいというデメリットがあります。

/// 5-2. 窓ガラスの種類

窓に使用するガラスは様々な機能があります。どのような寝室にしたいのか、目的に合ったガラスを選ぶことが大切です。

①複層ガラス

1つの窓のガラスが2層や3層になっているものを複層ガラスと言います。複層ガラスは中間層に特殊なガスが入っていて、熱や音の伝わりを抑えてくれます。複層ガラスは結露の予防や防犯性に優れたものもあります。

②曇りガラス

ガラスの表面に細かな凹凸や透明度の低い素材を使った曇りガラスがあります。透明度を下げることによって適度な光を取り入れながら、外から室内を見えにくくすることができます。

③防犯ガラス

防犯ガラスには割れにくい素材を使った単層ガラスや割られても侵入を防ぐ網入りガラスがあります。最近では複層ガラスに特殊な樹脂を使用して割れないようになっているものもあります。複層防犯ガラスは防犯だけではなく地震などの際にも破片が飛び散らず安全性にも優れています。

/// 5-3.窓の大きさと配置のポイント

寝室では朝の光を適度に取り入れることで、自然な目覚めが促進されます。夜間は睡眠を妨げないように光や音は出来るだけ遮断できるようにします。

従来の寝室は大きな窓で、夜間はカーテンで遮光するのが一般的でした。しかし、大きな窓が本当に必要なのかどうかはよく考える必要があります

寝室ではスリット窓という細い窓を効果的に使う方法のが効果的です。
スリット窓には縦型や横型があるので寝室に光が入りやすい場所に配置することで、適度な光を取り入れつつ、複数の窓で空気の通り道を作って換気効率を高めることもできます。

6)寝室の収納アイデアと工夫

/// 6-1.ウォークインクローゼットの活用法

ウォークインクローゼットは衣類や小物など、多くの物を収納することができ、人が入れる広さがあることで選びやすく、取り出しやすい特徴があります。
しかし、大きなスペースを必要とすることや間取りによっては湿気がたまりやすい、無駄なものを詰め込み過ぎてしまうというデメリットもあります。

ウォークインクローゼットは衣類の保管場所として寝室と相性が良い収納ですが、何を収納するのか、どのように使うのかを明確にしておくことが大切です。
寝室に設置する必要がないのであれば別の場所にウォークインクローゼットを作るという選択肢も考えておきましょう。

/// 6-2. デッドスペースの有効活用

寝室をすっきりとさせるには、限られたスペースを有効に使うことが大切です。そのためには寝室のデッドスペースに着目してみましょう。

①ベッド下の収納

引き出し式の収納ボックスやキャスター付きのケースを使うのが効果的です。
季節外れの衣類や布団、バッグなど、使用頻度が低いものを収納するのに最適です。収納ボックスを使うことで、ホコリがたまるのを防ぎ、すっきりとした見た目を保つことができます。

②壁面や高い場所の収納

クローゼットの上部や、ベッドのヘッドボードの上など、視界から外れがちな高い場所は、オープンシェルフや吊り戸棚を設置して、書籍や小物、インテリア雑貨を収納することができます。特に、見せる収納としてデザイン性を持たせることで、インテリアの一部としても楽しめます。

③コーナーや隙間の活用

寝室の角は、L字型のコーナーラックを設置し、観葉植物や装飾品を飾るスペースとして活用できます。また、家具と家具の間の隙間には、スリムな収納ラックを置いて、書類や小物の整理に役立てると便利です。

7)まとめ

快適な寝室を作るためには、広さ、色、音、照明、温度・湿度管理、窓の工夫、そして収納など、さまざまな要素をバランスよく考えることが大切です。

寝室は一日の疲れを癒し、安らかな眠りを得るための大切な空間です。家族構成やライフスタイルに合わせて最適な広さを確保し、リラックスできる色や音環境を整えて質の高い睡眠を確保できるようにしましょう。
家族みんなが安心してくつろげる理想の寝室は、豊かな暮らしの基盤となります。

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