平屋にする9つのメリットと7つのデメリットを解説!暮らしやすい平屋の間取りとポイントとは!?
はじめに
新しい家を建てる際に、「平屋」にするか「2階建て」にするかで悩むことはありませんか?特に、平屋はそのシンプルでおしゃれなデザインや、生活動線の良さから注目を集めています。
階段がないことによるメリットや広い庭と一体感のある暮らしを楽しむことができます。しかし、平屋建てにはデメリットも存在します。
本記事では、平屋の9つのメリットと7つのデメリットを解説しています。メリットとデメリットを比較することで、平屋にして後悔しない判断基準とすることができます。また、注意点や工夫のポイントも紹介していますので、住み心地の良いステキな平屋づくりの参考にしてください。
1-1. 老後でも安心できる住宅にしたい人
1-2. 広い土地を持っている人
1-3. 生活動線をシンプルにしたい人
2)【平屋】9つのメリット
2-1.バリアフリーにしやすい
2-2.階段事故のリスクがなくなる
2-3.大きな家具や荷物が搬入しやすい
2-4.維持コストが抑えられる
2-5.地震に強い
2-6.家族の距離が近くなる
2-7.生活動線がシンプルになる
2-8.光熱費が抑えやすい
2-9.掃除の手間が減る
3) 【平屋】7つのデメリット
3-1.土地面積の利用効率は下がる
3-2.防犯に工夫が必要
3-3.外から家全体が見えやすい
3-4.高い景色は見えない
3-5.家族のプライバシーが少ない
3-6.音の配慮が必要
3-7.足腰が弱りやすい
4)平屋で後悔しないための注意点
4-1.ハザードマップを確認
4-2.日当たりを確認
4-3.庭は将来的な管理まで考えておく
1)平屋に向いている人
/// 1-1.老後でも安心できる住宅にしたい人
平屋は階段がないので、高齢者や身体的ハンデがある方々など、バリアフリーな住宅に住みたい人に向いています。2階建て以上の多層階住宅では階段が必須です。エレベーターという選択肢もありますが、設置や維持管理コストを考えると一般的なご家庭で採用するのはあまり現実的ではありません。
階段がないことで玄関はスロープにするなど、完全バリアフリーな住宅も実現可能になります。老後のことを考えた住宅にしたい人や、日常の階段や段差が生活の支障となっている人には平屋という構造が生活の利便性を高めてくれるでしょう。
/// 1-2.広い土地を持っている人
広い土地があれば多層階の住宅にしなくても部屋数を確保しやすいので、すでに広い土地を持っている人や広い土地を確保できる人は平屋という選択肢を選びやすくなります。
広い庭を確保しやすいという点も、向いている要因の1つです。平屋では階層がない分、庭と一体化した住まいを実現し、ガーデニングやアウトドアリビングを楽しみたいという人も多くいます。子供やペットが安心して遊べるスペースを確保したり、家庭菜園を楽しんだりすることが可能です。
広い土地があれば住宅の間取りが充実するだけではなく、庭や外構など周囲の環境も整えやすくなります。
/// 1-3.生活動線をシンプルにしたい人
生活動線をシンプルにしたい方にも平屋は最適です。平屋はすべての部屋が同じフロアにあるため、移動がスムーズで効率的です。
例えば、キッチンからリビング、寝室、バスルームへの移動が短時間で済むため、日常生活のストレスを軽減できます。また、洗濯や掃除などの家事も階段の上り下りが必要ないので一層楽になります。
平屋は間取りを工夫することで生活動線をシンプルにし、日常的に行わなくてはならない家事や人と物の行き来の効率を上げることができます。無駄なく、生活をシンプルで効率的にしたいという人にも平屋は向いています。
2) 【平屋】9つのメリット
/// 2-1.バリアフリーにしやすい
平屋は全ての部屋が同じフロアにあるため、バリアフリーにしやすいです。階段がないので、車椅子や歩行補助器具を使う場合でもスムーズに移動できます。また、段差の少ない設計が可能で、転倒のリスクも減らせます。高齢者や身体にハンデがある方、小さいお子さんやペットと住んでいる方でも、安心して暮らせる住環境を実現できます。
バリアフリー設計を取り入れることで、将来的なライフステージの変化にも柔軟に対応できるようになります。
/// 2-2.階段事故のリスクがなくなる
平屋には階段がないため、階段からの転落やつまずきといった事故のリスクがありません。特に小さな子供や高齢者がいる家庭では、階段がないことで安全性が向上します。高齢になると筋力の低下に気づかず足を滑らせたり踏み外したりする事故が発生しやすくなります。
夜間のトイレや日常の移動時における階段の上り下りが不要になるため、安心して生活できます。また、階段のない生活は、心身ともに負担を軽減し、日常生活の快適さを向上させます。
高齢者は転倒やつまづきといった事故のリスクが年を重ねるごとにリスクが高まります。
高齢者世帯を想定する場合に階段の上り下りの負担と事故のリスクを減らすことは大きなメリットとなります。
/// 2-3.大きな家具や荷物が搬入しやすい
平屋は1階部分のみで生活が完結するため大きな家具や荷物の搬入がしやすいです。
2階建ての場合、階段を利用しての搬入が必要となり、手間がかかるだけでなく、搬入時に家具や壁を傷つけるリスクもあります。
例えば2階建ての家ではピアノやタンスなど、大きな家具を搬入する場合、クレーンなどを使って窓から搬入することもあります。
平屋なら広い窓や大きな玄関を通じて、スムーズに家具や荷物を運び入れることができます。また、日用品などの重いもの、大きいものを購入したときにも、この点は大きなメリットとなります。
/// 2-4.維持コストが抑えられる
平屋は建物全体が1階部分に集中しているため、維持コストを抑えることができます。建物の構造がシンプルな分、修繕やメンテナンスの手間も減り、その結果、費用も少なくて済みます。例えば外壁塗装を行う際にも外壁の面積が少なかったり、足場を組まずに外壁塗装が行えたりすることで、施工費用を抑えることができます。
定期的な点検や修繕にかかる費用も抑えられます。平屋建ての維持コストの低さは、長期的な生活費の節約にもつながり、家計に優しい選択となります。
/// 2-5.地震に強い
平屋は建物が1階部分だけで完結しているため、揺れの影響を受けにくく、倒壊のリスクも低くなります。
例えば2階建ての場合、自身によって建物が揺れると2階が揺れることによって建物の揺れも大きくなります。これに対して平屋は高さが少なく、上層階の重さがないため地震による影響が少なくなります。構造がシンプルであるということは、地震対策の設計もしやすいということです。
日本のような地震が頻発する地域では、地震に対する安全性は大きな魅力です。安心して住むための重要な要素として、自身への備えは大きなメリットになります。
/// 2-6.家族の距離が近くなる
平屋は全ての部屋が同じフロアにあるため、階段で区切られる多層階住宅より家族の距離が自然と近くなりやすい特徴があります。
多層階の住宅では階によって区切られるため、部屋の出入りをしても家族同士が顔を合わせにくいということがあります。しかし平屋の場合は共有する廊下や空間が多い為、帰宅時やトイレに行く際などでも顔を合わせやすくなります。家族が集まりやすく、コミュニケーションが取りやすい環境が整います。
また、家事をしながらでも他の部屋の様子が確認しやすいため、家族全員が安心して過ごせ
特に、小さな子供がいる家庭や、ペットを飼っている家庭では、このメリットが大きく感じられるでしょう。
/// 2-7.生活動線がシンプルになる
平屋は階段による移動がないので生活動線をシンプルにすることができます。
全ての部屋が同じフロアにあるため、移動が短時間で済み、間取りを工夫することで効率的な生活動線を作ることができます。
例えば、キッチンからリビング、寝室、バスルームへの移動がスムーズに行える間取りにすれば、毎日行う家事や動作の時間短縮となり、生活の効率を高めることができます。
階段がないことでワンフロア内に完結できるということは平屋ならではのメリットと言えるでしょう。
/// 2-8.光熱費が抑えやすい
平屋建ては、1階部分だけで完結するため、光熱費が抑えやすいです。冷暖房の効率が良く、全体のエネルギー消費を削減できます。例えば2階建ての場合、1階で冷房をしても2階まで効率的に冷やすことは難しいでしょう。平屋の場合は横でつながっているためエアコンや空調の影響を伝えやすいという特徴があります。
平屋では断熱性能を高めることで、さらに光熱費を節約できます。エコで経済的な生活を実現するためには、光熱費の管理が重要です。平屋建ては、その点でもメリットが大きいです。
/// 2-9.掃除の手間が減る
平屋は階段がないため、階段の掃除がなくなります。階段を頻繁に掃除されている人は経験があるかと思いますが、階段は床掃除より手間がかかります。
階段掃除は床掃除とは違い、それぞれの段差に合わせて掃除機を移動させなければなりません。さらにそれぞれの段に角、隅がありますので、ゴミやホコリが残りやすくなります。各段を隅々まできれいにするには大きな手間と労力がかかります。また、人の視線の高さにある段は目につきやすく、ちょっとしたゴミでも目立ちやすいものです。
このように、階段がないことは上り下りだけではなく、階段そのものをきれいに維持していく手間を省くことができるというメリットもあります。
3)【平屋】7つのデメリット
/// 3-1. 土地面積の利用効率は下がる
平屋は土地面積の利用効率が下がるというデメリットがあります。2階建ての場合は同じ敷地面積の平屋と比較しても延べ床面積を多く使うことができます。平屋は敷地面積以上の広さにすることは出来ません。
大人数で済む場合や部屋数を多くしたい場合は平屋より2階建て以上の複層住宅の方が向いています。
余裕のある平屋にするにはある程度、広い土地が必要となります。平屋では土地面積を効率的に使いたいという場合には、間取りに制約が出ることがあります。
/// 3-2.防犯に工夫が必要
平屋建ては全ての部屋が1階部分にあるため、侵入されやすく、防犯面での工夫が必要というデメリットがあります。
例えば2階建手の場合、2階に大きめの窓を配置しても外部から侵入しにくくなります。平屋の場合、大きな窓やドアなどが多いと、それだけ侵入経路が増えてしまいます。
防犯対策として、セキュリティシステムの導入や、防犯ガラスの使用、照明の設置などが必要となります。また、採光や風通し、窓の設置場所などにも工夫が必要です。
植栽やフェンスで防犯性を高めることもありますが、かえって目隠しとなり狙われやすくなる場合もあります。
平屋の場合はしっかり意図防犯を意識した設計をすることが大切です。
/// 3-3.外から家全体が見えやすい
平屋はすべての部屋が1階にあるため、外から家全体が見えやすいというデメリットがあります。
通りや隣近所から見えやすい居場所に部屋の中が見えやすい窓などを設置してしまうと、常に外からの視線が気になって住みにくくなってしまう場合があります。
窓の位置やサイズを考慮し、カーテンやブラインドを活用することで、プライバシーを守ることができます。また、庭や玄関周りの植栽を工夫して、外からの視線を遮ることも効果的です。
平屋では防犯性を高めるとともにプライバシーを確保できる間取りにすることも大切です。
/// 3-4.高い景色は見えない
平屋では高い位置からの景色は見えないというデメリットがあります。多層階の住宅であれば、高い場所からの眺望を楽しむことができますが、平屋では木や他の建物などの障害物で視界を遮られやすく、そのような楽しみは難しいでしょう。
仮に建築時に良い景色が見られても、その後で新しい建物が増えると、多層階の住宅と比較して見えなくなってしまう可能性が高いです。特に、景観の良い場所に住んでいる場合、この点は大きなデメリットとなることがあります。
/// 3-5.家族のプライバシーが少ない
平屋では全ての部屋が同じフロアにあるため、家族の距離が近くなるというメリットがあるのですが、逆に家族間のプライバシーが確保しにくいというデメリットがあります。
例えば思春期のお子さんがいるご家庭では、一人になる時間が欲しくなったり、物音など監視されているような環境を嫌がったりする場合があります。
平屋では音や視線が届きやすく、個々の部屋での独立性が低くなります。家族のプライバシーを確保するために、間取りや部屋の配置、壁の厚さ、ドアの位置などを考慮することが大切です。
/// 3-6.音の配慮が必要
平屋は全ての部屋が同じフロアにあるため、音が伝わりやすいというデメリットがあります。例えばリビングやキッチンに家族の寝室が接していると、夜中に起きたり活動している音によって眠りを妨げられてしまうことがあります。またバスルームや洗面所、トイレなど水の音が気になってしまう場合もあります。
特に思春期以上の大きなお子さんがいるご家庭では家族の活動時間が異なる場面が増えてきますので、音の問題は軽視してはいけません。
防音対策として間取りの工夫や防音材を使用するなど、音への配慮が必要です。
/// 3-7.足腰が弱りやすい
平屋は階段がないため、上り下りする場面が少なくなります。これは体の負担を軽減するとともに階段事故のリスクがなくなるというメリットがあります。その反面、上り下りをしないので階段がある家と比較して運動量は減ります。
お子さんや若い夫婦世帯ではあまり問題ありませんが、高齢になるにしたがって毎日の運動量の少なさが足腰を弱らせる原因となってしまうこともあります。
老後の住まいとして平屋を選ぶ際は、運動不足による筋力低下を防ぐために、日常生活の中で意識的に運動を取り入れることを心がけましょう。
4)平屋で後悔しないための注意点
/// 4-1.ハザードマップを確認
平屋を建てる前に、必ずハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップは、地震や洪水、土砂災害などの自然災害のリスクを示した地図です。特に平屋建ては、多層階の住宅に比べて逃げ場が少ないため、災害リスクが高い場所に建てると危険です。
洪水や土砂崩れのリスクがある地域では、平屋建てを避けるか、災害対策をしっかりと講じる必要があります。安心して暮らすためにも、事前の調査としてハザードマップを確認しましょう。
/// 4-2.日当たりを確認
平屋を建てる際には、日当たりの確認も大切です。全ての部屋が1階に配置されるため、日照条件が悪いと家全体が暗くなってしまうことがあります。
設計段階で窓の配置や大きさを工夫し、十分な自然光を取り入れるようにしましょう。特にリビングやダイニングなど、長時間過ごす部屋は、明るく快適な空間にするために日当たりを重視することが大切です。
平屋は高さがないので他の建物の日陰にもなりやすいので、将来的に近隣に家や背の高い建物が建つ可能性についても良く確認しておきましょう。
/// 4-3.庭は将来的な管理まで考えておく
平屋は庭との一体感を楽しみたいと考える人もいますが、庭の管理も考慮しておく必要があります。
広い庭は魅力的ですが、その分手入れが大変です。特に年を重ねると、庭の手入れが負担になることがあります。将来的な管理のしやすさを考え、手入れの簡単な植物を選んだり、メンテナンスが少ないデザインにしたりすることが大切です。
庭の一部をウッドデッキやテラスにすることで、管理の手間を減らしながらも、外の空間を楽しむことができます。
庭は将来的な管理の手間も考えて作りましょう。
5)平屋の間取り・工夫のポイント
/// 5-1.壁を少なくする
平屋建ての間取りで快適な空間を作るためには、壁を少なくすることがポイントです。
平屋は複層階の住宅に比べて敷地の利用効率が良くありません。壁を多く作るということは限られた面積を壁に使うということです。また、壁を作りすぎてしまうとそれぞれの部屋が小さくなり、閉塞感のある間取りになりやすくなってしまいます。
壁が少ないことで自然光が家の中に広がり、風通しもよくなるので、明るく快適な居住空間を作り出すことができます。
できるだけ無駄な壁は作らず、広々とした開放感のある空間にすることが平屋の間取りでは大切です。ただし、個々のプライバシー確保や防犯性の考慮も必要ですので、壁の少ない開放的な空間と、作るべき壁はしっかり作るというバランスが大切になります。
/// 5-2.水回りの位置
水回りの配置は、平屋の間取りを考える際に重要なポイントです。生活に欠かせない水回りの配置が悪いと住みにくい住宅になってしまうからです。
例えば、リビングからトイレの距離が近いと音が気になってしまい、離れすぎてしまうとトイレに行くのに毎回ストレスを感じることになってしまいます。
水回りの位置は、生活動線を考えて不便なく、それでいて水や人の音が気にならない配置を心がけます。
上下水道を水が流れる音は静かな夜では気になることがあります。配管の位置と寝室の位置にも注意しましょう。
/// 5-3.リビングの位置
平屋では1階という平面上に住宅のすべての機能を配置します。生活の中心となるリビングを中心に各部屋をつなげてしまえば便利で機能的に感じます。しかし、リビングを中心にするには注意が必要です。
リビングを中心に他の部屋をつなげてしまうと、生活に問題が発生しやすくなります。
例えば、夜中に寝室で寝ていても、誰かが起きてリビングで何かしていると音が気になってしまいます。個々の部屋の音はリビングに伝わりやすくプライバシーも漏れやすくなります。トイレやお風呂、洗濯場なども隣接していると、リビングにいても落ち着かないということにもなってしまいます。
間取りを考える際にはみんなが集まるリビングと、個々が落ち着く部屋とは分けて考えるようにしましょう。便利だからとリビングに隣接させてしまうと、かえって住みにくくなることがあります。
6) まとめ
平屋には、多くの魅力と共にいくつかのデメリットも存在します。
生活動線がシンプルで、階段がないことからバリアフリーにしやすく、維持コストも抑えられる一方で、土地面積の利用効率や防犯面での課題もあります。
しかし、間取りの工夫や適切な対策を講じることで、平屋の魅力を最大限に引き出し、快適な住まいを実現することができます。
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