新築は【耐震等級3】がおすすめ!地震から家族と財産を守るために知っておくべき耐震等級を完全網羅!

知っておくべき耐震等級とは?

この記事では新築を建てる際には耐震等級3がおすすめです。ということを中心にまとめています。地震から家族と財産を守るために、新築を建てる前にどのようなことに気を付けておけばよいのでしょうか?新築を建てた後に後悔しないために、耐震等級について知っておくべきことが3つあります。

・耐震等級の基準
・メリット・デメリット
・耐震の仕組み

地震が起きた際に後悔しないためには、耐震等級の基準や必要である理由を知り、誤った耐震等級や地震対策を選ばないようにすることが大切です。
耐震等級のメリット・デメリットを正しく理解しておくことで耐震等級を自分で選ぶ基準が分かるようになります。
最後に、耐震に関する基本的な仕組みは、新築を建てるうえで必要な地震対策や耐震設備、業者の良し悪しなどの判断材料となる知識です。

記事の後半では補足として耐震等級の調べ方や費用のこと、耐震等級を考えるうえで見落としやすい注意点についても解説しています。
この記事を読めば新築を地震から守るための耐震等級についての知識が全網羅的にわかるようになっています。これから新築を考えている人、地震について不安のある人は参考にして下さい。

目次
1)耐震に関する基礎知識
  1-1. 耐震等級とは?
  ①震度7を基準に考えられている
  ②3段階の数字で示したもの
  ③義務ではなく任意である
  1-2. 耐震等級の実績と評価
  1-3. 耐震・免震・制震の違い
  ①耐震
  ②免震
  ③制震
2)耐震等級の違い
  2-1. 耐震等級1
  2-2. 耐震等級2
  2-3. 耐震等級3
  2-4. 耐震等級3相当
  ①一般的な根拠
  ②要注意な根拠
  2-5. 構造計算された耐震等級3
3)耐震等級のメリット
  3-1.経済的な優遇が受けられる
  ①地震保険の割引が適用される
  ②フラット35による金利の優遇を受けられる
  ③贈与税の税制特例を受けられる
  ④家を売りたいときに有利
  3-2.被災した際のダメージが少ない
  ①命を守る確率が上がる
  ②住み続けられる
  ③修繕費用が安く済む
4)耐震等級のデメリット
  4-1.建設コストの増大
  4-2.調査費用の負担
  4-3.間取りの制限が発生する
5)耐震の仕組み
  5-1.耐震構造の仕組み
  ①建物の軽さ
  ②揺れの吸収
  ③接合部の強度
  ④基礎の強度
  ⑤床の耐震性
  5-2.耐震性を高める設備
  ①耐力壁
  ②耐震金物
  ③鉄骨ブレース
  ④柱巻き付け補強
6)耐震等級の認定と調べ方
  6-1.住宅性能評価による認定
  6-2.耐震診断で現在の耐震等級を調べる
7)耐震性で見落としやすい注意点
  7-1.他の災害にも備える
  7-2.耐震等級をはっきり確認しておく
  7-2.家具の地震対策も忘れずに
8)まとめ

1)耐震に関する基礎知識

/// 1-1.耐震等級とは?

耐震等級とはなにか?を理解するためのポイントは以下の3つです。

①震度7を基準に考えられている

耐震等級は地震に対する住宅の強度を表す指標です。
作られた背景には阪神淡路大震災があり、「100年に1度程度起こる稀な地震(震度7程度)を基準とした大地震が起きた際に倒壊せず、命と生活を守れる住宅を普及させることが目的でした。
位置づけとしては、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」を基に作られた「住宅性能表示制度」の中で定義づけされています。

②3段階の数字で示したもの

耐震等級は地震に対する強度を1~3の3段階で示しています。数字が大きくなるほど耐震強度が高いという意味になります。

③義務ではなく任意である

耐震等級は住宅性能を表示するための指標であり、義務ではありません。建築基準として定められているわけではないので耐震等級が分からなくても問題はありません。
住宅性能表示制度を利用して現在や金利の優遇を受ける際や、建物がどれくらいの地震に耐えられる構造になっているかを知るための指標として活用されています。

/// 1-2.耐震等級の実績と評価

耐震等級が高い住宅は本当に地震に強いのでしょうか?それを証明するのによく使われるのが熊本地震での例です。
平成28年に起きた熊本地震は震度7が2回発生した極めて稀な地震でした。1度目の地震で倒壊しなかった建物でも、2回目の大地震で倒壊してしまうということが多数発生した地震でした。

大地震クラスの揺れが2回続くという異例の事態でも、耐震等級3の住宅は1軒も倒壊することなく、それどころか大きな損傷も見られず大部分が無被害という結果だったのです。

この事例から耐震等級の信頼性は高まり、耐震等級3が地震に有効である証明として注目されるようになりました。

/// 1-3.耐震・免震・制震の違い

耐震について解説していくうえで紛らわしいのが「免震」と「制震」です。「耐震」とどう違うのでしょうか?混乱しないように、それぞれの意味について確認しておきましょう。

①耐震

地震に耐えることを意味しています。地震に対する対策として広い意味があり、免震や制震も地震に耐える家の機能として、耐震の中に入ります。

②免震

地震によって倒壊しない方法として、「揺れを逃がす」という考えが免震です。
壊れないように頑丈な家を作っても地面が大きく揺れればどこかに負担が掛かります。耐えきれなくなった重要な柱や梁が損傷すれば家は倒壊してしまいます。これを防ぐために、地面の揺れに対して家も適度に揺れながら地震によって発生した力を受け流して家を守ります。地面の揺れを吸収して建物本体に揺れを伝えにくくする装置を取り付けます。

③制震

免震が揺れを逃がすのに対して、「揺れない家を作る」という考えが制震です。
ただ頑丈な家をつくった場合、揺れの力は柱や接合部に溜まり、耐えきれなくなると損傷してしまうため家が倒壊します。これを防ぐために建物の構造や器具を活用して地面からの揺れを吸収したり逃がしたりしながら家全体が揺れにくくします。

2)耐震等級の違い

この章ではそれぞれの耐震等級について解説していきます。耐震等級は通常1~3の3種類だけですが、実際良く使われる言葉として「耐震等級3相当」と「構造計算された耐震等級3」があります。新築の耐震性能で後悔しないためには重要な違いとなるので必ず確認しておくべき用語です。

/// 2-1.耐震等級1

公的に示されている耐震等級1の定義

「極めて稀に(数百年に一回)発生する地震等による力に対して建物が倒壊、崩壊等しない程度=建築基準法がすべての建物に求めている最低基準」

つまり、建築基準法を守って作られた新築であれば調査を行うまでもなく、最低でも耐震等級1はあるということになります。
耐震等級には1より下はありません。耐震等級が「どれだけ耐震性が高いか」を示す指標であり、その基準となるのが耐震等級1というわけです。

/// 2-2.耐震等級2

公的に示されている耐震等級2の定義

「極めて稀に(数百年に一回)発生する地震等による力の1.25倍の力に対して建物が倒壊、崩壊等しない程度」

(国土交通省住宅局住宅生産課「新築住宅の住宅性能表示制度 住宅性能表示制度ガイド」より抜粋)

耐震等級1を基準として1.25倍地震に強いのが耐震等級2です。
耐震等級では何か特別な装置や処置を行うことが基準ではなく、どのくらいの揺れに耐えられるのかということを基準にしています。

/// 2-3.耐震等級3

公的に示されている耐震等級3の定義

「極めて稀に(数百年に一回)発生する地震等による力の1.5倍の力に対して建物が倒壊、崩壊等しない程度」

(国土交通省住宅局住宅生産課「新築住宅の住宅性能表示制度 住宅性能表示制度ガイド」より抜粋)

耐震等級1を基準として1.5倍地震に強いのが耐震等級3です。耐震等級最上位でありもっとも地震に強い住宅の性能表示です。

/// 2-4.耐震等級3相当

明確に定義されているのは耐震等級1~3ですが、実際に新築を建てようとハウスメーカーなどを訪れると「耐震等級3相当」という言葉を使われることがあります。

公的に示されている耐震等級3の定義

「極めて稀に(数百年に一回)発生する地震等による力の1.5倍の力に対して建物が倒壊、崩壊等しない程度」

(国土交通省住宅局住宅生産課「新築住宅の住宅性能表示制度 住宅性能表示制度ガイド」より抜粋)

「耐震等級3相当」とは、「調査はしていないけど、うちで作る建物は耐震等級3に相当する耐震力がありますよ」という意味です。

この言葉はかなり曖昧なので注意が必要です。この言葉を聞いたらどんな根拠で「耐震等級相当」と言っているのかを必ず確認しておきましょう。

①一般的な根拠

「自社で建築した住宅の実績として、耐震等級3を実際に取得した、または認定を受ければ耐震等級3が確実に獲れるくらいの基準で耐震設計を行っている。」

この場合は構造計算や耐震設計を基に耐震等級3の認定くらいはとれるであろうという根拠になります。絶対に信頼できるとは言い切れませんが「3相当」としては一般的な根拠として使われます。

②要注意な根拠

耐震性能を上げるには地震に強い壁や器具の取り付けを行います。しかし重要なのは設備や部品の有無よりも構造のバランスです。耐震力の高い設備を使っているからと言って耐震性能が高いわけではありません。このような根拠で「3相当」です。と明言している場合は注意が必要です。本当に耐震等級3が取れるのか担当者に詳しく話を聞きましょう。

/// 2-5.構造計算された耐震等級3

こちらも正式な用語ではありませんが、新築購入時に使われることがある言葉です。
耐震等級3相当に対して、明確に「構造計算された耐震等級3」と根拠を示しているので、信頼性が高い表現です。地震に強い家で大切なのは耐震等級という呼び名ではなく、本当に地震に耐える力を計算することが重要です。

耐震等級を実際に調べると10万~30万円くらいの費用がかかります。そのため新築を購入する際に耐震調査や住宅性能評価を受けない人が多いという背景があります。つまり多くの人が新築を販売した人の言う耐震等級を信じて購入しているということです。本当に耐震等級3相当の耐震性能があれば良いですが、大地震が起きてから気付いたのでは後悔しても手遅れです。
もし住宅性能評価や耐震等級の調査を受けないのであれば、「構造計算された耐震等級3」を購入するのがおすすめです。

3)耐震等級のメリット

/// 3-1.経済的な優遇が受けられる

耐震等級の認定を行うことによって経済的な優遇を受けることができます。耐震等級を高くすることによって受けられる優遇制度は以下の3つです。

①地震保険の割引が適用される

耐震等級の認定をしておくことで地震保険料の割引を受けることができます。割引率は耐震等級によって異なります。

耐震等級3=50%割引
耐震等級2=30%割引
耐震等級1=10%割引

このように最大50%、最低でも10%の割引を受けることができます。

②フラット35による金利の優遇を受けられる

フラット35とは指定された条件を満たすことで住宅ローンを長期間低金利で借りることができます。
フラット35には「金利Aプラン」と「金利Bプラン」の2種類があります。金利Aの方が低い金利で借りることができます。
耐震等級3で金利Aプラン、耐震等級2で金利Bプランを利用することが可能です。

③贈与税の税制特例を受けられる

令和4年から、性能の高い住宅に対して贈与税を非課税とする法律が始まっています。
性能の高い家として、耐震等級2以上あれば1000万円を限度として非課税の優遇を受けることができます。ただしこの制度は期間が決まっており令和5年12月31日までに贈与が行われた場合に限られています。

④家を売りたいときに有利

耐震等級による優遇は中古住宅でも受けることができます。優遇される金額や率は下がりますがフラット35や地震保険の割引は適用されます。機能性の証明がない一般住宅と比較すると中古販売する際に有利な特徴になります。

/// 3-2.被災した際のダメージが少ない

耐震等級は被災した際にどれだけダメージを受けないかということを評価しています。地震によって家にダメージが少ないということは以下のようなメリットがあります。

①命を守る確率が上がる

地震対策の最も重要な目的である人命を守る確率が高くなります。日本の建築物は地震を想定した一定の耐震性能を持っていますが、それでも大地震によって倒壊する家は少なくありません。熊本地震で2回の震度7を耐えたように、耐震性能が優れた住宅は倒壊しにくいので、安全性は高いと言えます。

②住み続けられる

耐震等級では地震が起きたときに命を守る次に重要としているのが「その後の生活」です。
地震が起きたあとも継続して住める状態であれば、体育館などに避難する必要性も少なくなります。耐震等級2以上にしておくことで地震による家へのダメージが少なくなり、被災後の生活を維持しやすくなります。

③修繕費用が安く済む

耐震等級2以上にしておくと建物が受けるダメージが少なく、修繕費用や労力の負担が少なくて済みます。
建築基準である耐震等級1相当では建物が倒壊しないレベルが基準となっています。大地震によって家が倒壊しないということは住める状態であるということではありません。建て替えを必要としたり、建てるのと同じくらいの修繕費用が掛かったりすることもあります。
耐震等級ではこうした被災後の生活再建にも着目しています。大地震でも家のダメージが少なければ、経済的に被災後の生活を再建しやすくなります。

4)耐震等級のデメリット

/// 4-1.建設コストの増大

耐震等級を高くするためには建設コストが増加してしまうというデメリットがあります。
耐震性能を高めるためには建物の構造や材料、耐震性能を備えた設備などが必要になります。耐震等級2~3の要件を満たすためには建築の工法や技術力を必要とする施工になります。
物的、人的にも高い品質を求められるため、全体的な建設コストは一般的な耐震基準の家に比べて高くなります。

/// 4-2.調査費用の負担

耐震等級の評価には国が認めた第三者機関による調査が必要です。調査には専門家の検査や試験が含まれ、費用は家の大きさや構造によっても異なります。この調査費用は相場として10万円~30万円程度の費用が必要です。
その他にも新築の場合では設計や工事の段階から調査が必要であり、品質管理の費用や不具合があれば改修や補強の費用も必要です。
耐震等級は義務ではなく任意であるため、調査に関する費用は自己負担になります。

/// 4-3.間取りの制限が発生する

耐震性能を高めるためには家の構造やバランスが重要になるため、間取りに制限が発生します。
耐震性を高めるために柱や壁の配置、建物の高さなどが設計の段階で考慮されます。そのため思い通りの理想の間取りにすることができない場合があります。

例えば耐震性能を高めるためにはできるだけ窓を少なくし、壁の配置もバランス良くしなくてはなりません。この場合、東側に窓を多く設置したい。リビングを吹抜け天井にしたい。などの希望がある場合、全体のバランスから間取りに制限が発生してしまうことがあります。

5)耐震の仕組み

/// 5-1.耐震構造の仕組み

①建物の軽さ

建物全体を軽くして地震で揺れたときの負担を軽減します。
壁や屋根、床など家自体が重いと揺れたときに発生する力も大きくなります。例えばトレーニングウェアで歩く人と、全身鉄の鎧を着て歩く人ではどちらが体の負担が大きいでしょうか?建物で耐震性を考える際も、家自体の重さを減らして軽量化します。

②揺れの吸収

耐震性では地震によって発生した揺れを流したり分散したりすることで吸収し、建物にかかる負担を軽減します。
地震が起きても崩れない頑丈さには限界があります。例えば硬い棒に力を加え続けて限界に達するとパキッと折れてしまいます。
構造によって耐震性を高めるには揺れを押さえつけるのではなく柔軟性をもって受け流したり分散させたりして揺れの力が家の構造に伝わらないようにしています。

③接合部の強度

柱、梁、床、天井など各接合部に耐震金物などを取り付けて接合部の強度を高めます。
家が揺れたとき接合部が壊れてしまうことは致命的です。そのため接合部の強度を高くします。
接合部は外れにくい頑丈なものであると共に、揺れによって動いたり変形に耐えたりする柔軟性も重要です。接合部は建物の骨であり、接合部は全体のバランスを保つために重要な役割を担っています。

④基礎の強度

基礎の材質を鉄筋コンクリートなどにして基礎部分の強度を高めます。
基礎は家を支える土台です。基礎が崩れてしまうと家はバランスを保つことができなくなります。家がどのような地盤の上に建っているのかにもよりますが、柔軟性と堅固さをもって、地震が起きても家を支え続けられるよう強度の高い基礎を作ります。

⑤床の耐震性

地震が起きたときに揺れに耐えながら家具や人の重さを支えられる耐震性のある床を作ります。
家の形状を保つのは柱や梁だけではなく、床も家の内側を平面的に支える役割を持っています。床は家が横に揺れたとき、内側に潰れないように家を支えてくれています。特に重い家具を配置する場所や吹抜け天井で床が無い場所などは耐震性に考慮する必要があります。

/// 5-2.耐震性を高める設備

①耐力壁

筋交いを入れ、水平方向に動かないように抵抗する力を持った壁です。
揺れが起きたとき、壁が横に揺れてしまうと反動で揺れが大きくなってしまいます。揺れによって動いた分壁は損傷し、接合部が耐えられなくなると潰れてしまいます。それを防ぐために筋交いを入れ、壁が横に揺れる力を抑えてくれます。

②耐震金物

柱や梁など建物の躯体部のつなぎ目に取り付けることで接合部が外れるのを防いでくれる金属製の器具です。
揺れが起きたとき、接合部が可動範囲を超えてしまうと損傷したり外れたりします。接合部は家の形状を保つ重要な部分です。接合部が壊れてしまうと倒壊の原因に直結します。耐震金物は重要な接合部を守ってくれます。

③鉄骨ブレース

鉄でできた四角形の枠組みに鉄の筋交いを通した型で、耐震強度の弱い部分に外側から取り付けて補強することができます。揺れによる建物の変形を減らすことで耐震性を高めることができます。

④柱巻き付け補強

柱に繊維シートや鉄板を巻き付けて柱の強度を高めます。大木ら揺れや想定外の力が加わった際でも柱や梁が損傷するのを防いでくれます。

6)耐震等級の認定と調べ方

耐震等級を知る方法は「住宅性能評価」と「耐震診断」の2つの方法があります。それぞれの内容や手順の違いについて確認しておきましょう。

/// 6-1.住宅性能評価による認定

住宅性能評価を行うことで耐震等級も分かります。
住宅性能評価は耐震性能だけではなくエネルギー消費量、バリアフリー化、建物の維持への配慮など住宅全体の性能を評価するものです。
調査費用の相場は10万円~30万円程度となっています。
住宅性能評価は住宅の設計段階から調査が始まり、建築段階、完成後の家ができるまで調査を行います。主に新築を建てる際に依頼します。
すでに建築済みで、住宅性能表示されている場合は「住宅性能評価書」を提示することで耐震等級の証明になります。

/// 6-2.耐震診断で現在の耐震等級を調べる

家の耐震状態だけを調べるには耐震診断を依頼します。
耐震診断では主に住宅の耐震性能について調査を行います。新築ではなく建築が完了されている建物で、中でも旧建築基準で建築された建物に対し、どのくらいの耐震性能があるかを調べる際などに使われています。調査結果を受けて、耐震等級を上げるための改修や補強を行って耐震性能を高めます。
調査費用は受託性能評価と同じくらいで10万円~30万円程度となっています。

7)耐震性で見落としやすい注意点

ここまで耐震等級の制度や仕組みについて解説してきました。最後に見落としやすく、後悔の原因になりやすい注意点を解説します。耐震等級の高い新築を建てる際には注意してください。

/// 7-1.他の災害にも備える

耐震等級は地震による揺れに対する防災の1つです。実際に大地震が起きた場合、危険は家の倒壊だけではありません。
火災、土石流、地盤沈下など地震によって引き起こされる災害もあります。また地震に対しては強くても、近隣に氾濫しやすい河川や土砂崩れの危険がある山があれば、どれだけ耐震性能を高めても効果を発揮する前に別の災害に遭う可能性もあります。
新築を建てる際は周辺地域の状況、地盤、防災マップなども確認して最適な立地を選ぶようにしましょう。

/// 7-2.耐震等級をはっきり確認しておく

耐震等級は住宅性能評価や耐震診断を受けないと分かりません。信頼できる設計事務所やハウスメーカーを選ぶしかないのですが、曖昧な表現に注意しましょう。会社として耐震等級3相当を基準としていても、途中でお得なプランなどを適用する過程で話が変わっていしまっていたなどのトラブルに注意が必要です。
建てた後で判明しても泣き寝入りするしかない場合が多いので、住宅の性能や要望は契約する最終段階までよく確認しておきましょう。

/// 7-3.家具の地震対策も忘れずに

耐震性能が高い家を建てても家の中の地震対策ができていなければせっかくの性能を活かせないことがあります。地震によるケガの原因の30%以上が家具や電化製品の転倒、下敷きになるなどして発生します。重量のある家具や備品の配置場所、背の高い家具の転倒防止対策など、基本的な防災対策は忘れずに行いましょう。

8)まとめ

耐震性能を高め、耐震等級の高い家を建てるということは命や財産を守るだけではなく、被災後の生活維持や修繕コストの軽減にも効果を発揮します。建設コストが高くなってしまうデメリットはありますが、住宅性能の高い家を建てると様々な経済的な優遇を受けることもできます。

耐震性能は実際に地震が起きてみないと目で確かめることができないので、新築を建てる際、購入する際は話の行き違いが無いようによく確認しておくことが重要です。
今後日本では首都直下型大地震や南海トラフ大地震が起きると予想されています。また毎年のように大きな地震が各地で起きている現状もあります。地震対策は大切な家族と自分の命を守るためになくてはならないものと言えるでしょう。

今回の記事を参考に、家を購入する際の地震対策として役立ててください。
Y・T design-officeでは住宅の新築やリフォームから店舗の設計など建築デザインを行っております。耐震性能の高い新築の検討や、今住んでいる家の地震対策が不安など気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

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