失敗しない外壁選び、快適な家には外壁の基礎知識が重要!

快適な家の外壁
1)快適な家には外壁の基礎知識が重要!

おしゃれな一戸建ては誰でもあこがれるものです。その印象を決める外壁は見た目を良くするだけではありません。外壁には家を守ったり長持ちさせたりする機能があります。
外壁は素材によって特徴やメンテナンス方法、価格や維持費に違いがあります。外壁の影響は住んでみないとわからないことが多く、何も知らずに見た目だけで選んでしまうと失敗の原因になってしまいます。
快適な家づくり、家選びには外壁の基礎を知り、目的と好みに合った外壁であることが重要です。
今回は外壁選びに必要な基本的な知識として、外壁の持つ「機能性」、「施工方法による特徴」「主要な外壁素材の特徴」をご紹介します。

外壁が持つ基本的な機能
2)外壁が持つ基本的な機能を知ろう!
/// 2-1.防水性

外壁の機能で最も重要なのが防水です。水が浸透してしまうと骨格となる木材や金属を腐らせて家をダメにしてしまいます。ひび割れや素材の劣化により防水機能が損なわれたとき、外壁のメンテナンスが必要になります。素材の耐久性も考慮して選びましょう。家を長持ちさせるために水を浸透させない、水に強いことが外壁の最も基本的で重要な機能です。

/// 2-2.デザイン性

外壁は家の顔ともいえる重要なポイントです。素材の持つ質感や色合い、形状などのデザインでその家の印象が変わってきます。外壁は住む人の個性を表現し、快適さや温かさなど家の持つイメージに大きな影響を与えます。外観は家を建てるときに最もこだわりたいところでもあります。好みと機能性のバランスとりながら楽しんで選びましょう。

/// 2-3.耐火性

命や財産を守るために火事への備えは重要です。耐火性は万が一に備える重要な機能です。燃えやすい素材を使っていれば火事になる確率は高くなります。燃えにくい素材を使うことで外側からのもらい火を防いだり、火の回りを遅らせたりして、命や財産を守ります。気に入った外壁素材でも耐火性はしっかりと確認しましょう。

/// 2-4.遮熱性

遮熱性は外気の影響を受けにくくする機能です。外気の影響を受けにくいということは、夏の暑い日でも家の中は暑くなりにくい、冬は寒くなりにくいという効果があります。遮熱が良い家は、家の中を快適にするだけでなく冷暖房の効率を上げてくれるので光熱費の節約にもなります。

/// 2-5.遮音性

遮音性は家の中と外の音を遮ってくれる機能です。外からの騒音を防ぎ、家の中の会話などプライバシーを守る効果もあります。日本の住宅は隣の家との距離が近い場合が多いので、遮音性が低いとご近所迷惑や気疲れしてします。遮音性は外壁を選ぶときの重要なポイントです。

施工方法の違いと特徴
3)施工方法の違いと特徴を知ろう!
/// 3-1.サイディング

サイディングとは、いろいろな素材を板状に加工したものを張り付けていく外壁です。サイディングボードは工場などで生産されるため品質は安定し、施工する職人の技術による仕上がりの差も少なくて済みます。近年ではほとんどの新築戸建てで採用されている施工方法です。

/// 3-2.塗る

モルタルや漆喰など材料を塗ったり吹き付けたりする外壁です。サイディングのように板を張り付けないので継ぎ目がありません。モルタル独特の塗り固めた風合いや自由度の高いデザインで個性的な外観を表現できます。施工する職人の技術や材料の影響を受けやすい施工方法です。

/// 3-3.タイル

家の外側にタイルを張り付けていく外壁です。タイル張りの外壁は耐久力が高いので長持ちし、メンテナンス費用も軽くて済みます。デザインはタイルの特徴により幅広く変化し、いろいろなバリエーションを表現できます。おしゃれや高級感を表現しやすい施工方法です。

施工方法の違いと特徴
4)施工方法の違いと特徴を知ろう!
/// 4-1.窯業系サイディング

窯業系サイディングは、近年外壁の主流であるサイディング方式の外壁のなかで最も人気があります。
窯業系サイディングはセメントと木材繊維などを混ぜて板状に加工した外壁素材です。耐火性も高く安全性も優れています。人気が高く種類が豊富でデザインの幅も広いサイディング素材です。
材質の特性として、熱をため込みやすい性質があり遮熱性にはやや劣ります。使用している素材や塗料の質によっては劣化速度に多少の違いがあります。

/// 4-2.金属系サイディング

金属系サイディングは窯業系サイディングの次に人気があり、耐久性と機能性の高さから需要が伸びている外壁素材です。ガルバリウム鋼板などを加工した外面と断熱材の板などを合わせているので、耐火性、遮熱性、遮音性などに優れています。また、軽量なので家の骨格にかかる負担も軽くなります。
他の外壁材に比べて外壁機能の劣化が少なく、メンテナンスは塗装が中心になります。施工前に錆びにくい材質の鋼板、劣化しにくい塗料を選ぶことでメンテナンス費用を抑えることができます。

/// 4-3.モルタル

モルタルは1990年代に主流だった外壁素材です。砂とセメントを混ぜて壁に塗り込んだり吹き付けたりして施工します。 サイディングボードのように板の形に縛られないため、家の形状や好みに合わせてデザインの自由度が高い特徴があります。  使う材料や職人の技量によって耐久性や美観に差が生じやすいので、施工を依頼する際は、信頼できる業者や職人かどうか、実績を確認するなど事前に評判をよく調べておくことが必要です。

/// 4-4.タイル

タイルはデザイン性や耐久性の高さから人気がある外壁です。使用するタイルによって奥深いデザイン性があり、レトロ感や高級感のある演出でタイル独特の美観を作ることができます。
他の外壁素材と比べてほとんどメンテナンスが必要なく、維持費用が安く済みます。
初期費用が高く、仕上がりは職人の技量が大きく影響します。信頼できる業者や職人をしっかりと調べて選ぶことが重要です。

/// 4-5.木質系サイディング

木質系サイディングは外面を板張りにした外壁素材です。アウトドアブームで山小屋風のデザインを好む人が増えていることも影響して人気が高まっています。断熱性や柔軟性に優れていまが、耐火性の低さ、紫外線による劣化などの影響があります。使用する塗料で耐久性が大きく変わってくるので素材を選ぶ際は塗装を確認しましょう。費用やメンテナンスの手間をかけたくない場合は木目調に近いデザインの窯業系サイディングもあるので検討してみましょう。

/// 4-6.樹脂系サイディング

樹脂系サイディングはひび割れや劣化に強く、耐久性に優れている外壁素材です。塩化ビニル樹脂などを主原料にしたプラスティックでできているため燃えにくく耐火性もあります。いろいろな機能に優れていますが、価格の相場は窯業系サイディングの1.5倍くらいでやや高めです。機能性だけではなく耐久年数も長く、維持費も含めて考えれば経済的な素材です。

/// 4-7.ALC(軽量気泡コンクリート)

ALCは高機能で人気が高い外壁素材です。気泡が入ったコンクリートは遮熱性、遮音性も高く、軽量で耐震性も優れています。コンクリートなので燃えにくく耐火性もあります。いろいろな機能に優れているALCですが劣化が進むと耐水性に問題が起きるため適切なメンテナンスが必要です。質の高い塗料を使うことで劣化を抑えることができます。初期費用や塗装費用も他の外壁素材よりもコストは高めです。

5)まとめ
外壁

外壁を選ぶ際は、しっかりと家を守る機能を備えているかを確認することが重要です。
見た目や流行だけで外壁を選んでしまうと、寒い、熱い、音が筒抜け、思ったより早く劣化しているなど思いがけない機能不足や劣化による修復費用で困ってしまうことが起きるかもしれません。
外壁は外部の環境から家を守る盾のようなものです。それぞれの外壁素材が持つ特徴を知っておくことはとても大切なことです。お気に入りの外壁が見つかったら、必要なメンテナンス、それにかかる費用についても調べておきましょう。

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